ドイツ政府発デジタルハブ・スタートアップと日本企業のオープンイノベーション推進プロジェクト、GTAIとジェトロでキックオフ

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2022年05月11日

ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)とジェトロは、ベルリン日独センター(注)の後援により、日独交流160周年を機に2021年12月16日に立ち上げた「日独イノベーション・イニシアチブ160」の、フォローアップ事業の第1弾として、ドイツのスタートアップと日本企業をつなぐオープンイノベーション推進プロジェクト「Tech Innovation Challenge」を2022年4月末にキックオフした。

本プロジェクトは、日独イノベーション・イニシアチブ160のキックオフセミナーで発表したビジネスネットワーキングに位置付けられ(2021年12月23日記事参照)、ドイツ経済・気候保護省(BMWK)のデジタルハブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ドイツ各地の産業エコシステムの国際化・デジタル化を支援するための施策)に所属するスタートアップと、カーボンニュートラルやデジタル分野を中心に社会課題解決を目指すジェトロの「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)」事業に参画する日本企業のマッチングを目的とする。

ジェトロは2021年にJ-Bridgeを立ち上げ、欧州でもローンチイベントを実施した。J-Bridgeを通じて、情報提供や国内外拠点のコーディネーターによるサポートなど、日本企業と海外スタートアップ企業などによるオープンイノベーションを支援する。

今回、「Tech Innovation Challenge」に参加する日本企業は、ドイツ各地に設置されているデジタルハブを通じて、各社が解決を目指している課題について各ハブに所属するスタートアップにリバースピッチを実施する。その後、各課題解決に向けオープンイノベーションの実現可能性があるスタートアップを2社選出し、最終的に最有力のスタートアップを選出するコンテストを実施する。

募集の結果、日本企業からは三菱電機ヨーロッパ(Mitsubishi Electric Europe)、ナブテスコ・テクノロジー・ベンチャーズ(Nabtesco Technology Ventures)、Nitto Deutschland 、オリンパス・ヨーロッパ(Olympus Europa)、ヤンマーベンチャーズの5社の参加が決定し、2022年4月28日にオンラインでキックオフミーティングを実施した。本プロジェクトを通じて、各社のイノベーション事業の発展に加え、全体として日独スタートアップ・イノベーションの持続可能なエコシステム形成を目指す。

本プロジェクトのキックオフに当たって、和爾俊樹(わにとしき)ジェトロ・ベルリン事務所長は「本日(4月28日)、オラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相の訪日により日独経済連携の機運が高まる中、参加企業からは地球規模の課題解決のため、モビリティ、カーボンニュートラル、ロボティクス、ヘルスケア、農林水産・食品などの多岐にわたる分野で日独連携の可能性が示された。本プロジェクトを通じ、ドイツの優秀なスタートアップとの連携によりさまざま課題の解決策が創造されることを期待する」と述べた。

「Tech Innovation Challenge」のスタートアップコンテストは2022年8月31日(変更可能性あり)に公開するかたちで、ベルリン日独センターで実施の予定だ。

写真 「Tech Innovation Challenge」参加日本企業、GTAI、JETRO、ユリア・ミュンヒ・ベルリン日独センター事務総長によるオンラインでのキックオフミーティング(ジェトロ撮影)

「Tech Innovation Challenge」参加日本企業、GTAI、JETRO、ユリア・ミュンヒ・ベルリン日独センター事務総長によるオンラインでのキックオフミーティング(ジェトロ撮影)

(注)同センターは、1985年に当時の中曽根康弘首相とヘルムート・コール・ドイツ首相のイニシアチブで「知的出会いの場」として創設。

(小菅宏幸)

(ドイツ、日本)

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