GTAIとジェトロ、日本企業とドイツのスタートアップのオープンイノベーションコンテスト開催

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2022年09月12日

ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)とジェトロは831日、202112月に日本とドイツ交流160周年を記念して発足した地球規模の社会課題解決を目指す「日独イノベーション・イニシアチブ160」のフォローアップ事業として、日本企業とドイツのスタートアップ企業によるオープンイノベーションを目指す「Tech Innovation Challenge」(2022511日記事参照)のファイナル・ピッチ・イベントをベルリン日独センターで共催した。両国の企業をはじめ、ドイツ全土のデジタルハブのネットワークやベルリンのイノベーション促進機関の関係者など約80人が参加した(本記事末尾のYouTube動画参照)。

写真 ロバート・ヘルマンGTAI総裁による基調講演(GTAI提供)

ロバート・ヘルマンGTAI総裁による基調講演(GTAI提供)

20226月に「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge」メンバーの日本企業4社(三菱電機ヨーロッパ、ナブテスコ・テクノロジー・ベンチャーズ、オリンパス・ヨーロッパ、ヤンマーベンチャーズ)がカーボンニュートラルとデジタル分野の4つの課題について、オンラインのリバースピッチで、ドイツ連邦経済・気候保護省主導のデジタルハブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに参加するスタートアップ企業に対し解決案を募ったところ、7社がファイナリストとして選ばれた。

冒頭の基調講演で、ロバート・ヘルマンGTAI総裁はこのイベントについて「AI(人工知能)やフィンテック、インシュアテックをはじめ、ドイツ全土にある国際化を目指すスタートアップ企業で構成するデジタルハブと日本企業をつなぐ良い機会となった」と述べた。ジェトロの和爾俊樹ベルリン事務所長は、少子高齢化や新型コロナウイルス危機、地球温暖化、SDGsといった地球規模の社会課題に対して、日本とドイツが双方向で協力してイノベーションを起こす重要性を強調し、このイベントがGTAIとジェトロによる最初の具体的なビジネスネットワーキングだと紹介した。

写真 三菱電機ヨーロッパの課題にピッチするPanocularAIのアリャ・マザヘリ氏(GTAI提供)

三菱電機ヨーロッパの課題にピッチするPanocularAIのアリャ・マザヘリ氏(GTAI提供)

ファイナル・ピッチ・イベントでは、各課題についてスタートアップ2社が競い合った結果、ナブテスコ・テクノロジー・ベンチャーズの課題はMeshmerize外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(物流モバイルロボットの相互接続ソフトウエア)、三菱電機ヨーロッパの課題はPanocularAI(カメラを車両に搭載し現在地を認知するAIプロセッサー)、オリンパス・ヨーロッパの課題はAimino Tech外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(内視鏡画像処理)、ヤンマーベンチャーズの課題はTravit外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〔温室効果ガス(GHG)排出量削減を提案するAIソフトウエア)がそれぞれ勝者として選ばれた。

写真 勝利したスタートアップ企業4社の代表と審査員、アンドレアス・ワーグナー三菱電機ヨーロッパドイツ支店長(後列左から2番目)、尾田伸之ヤンマーベンチャーズ代表取締役社長/代表パートナー(前列中央)、アシャ・マリア・シャマ・シニアマネジャー(GTAI、前列左端)、アイリーン・シュムック氏(Digital Hub Hamburg、前列右端=GTAI提供)

勝利したスタートアップ企業4社の代表と審査員、アンドレアス・ワーグナー三菱電機ヨーロッパドイツ支店長(後列左から2番目)、尾田伸之ヤンマーベンチャーズ代表取締役社長/代表パートナー(前列中央)、アシャ・マリア・シャマ・シニアマネジャー(GTAI、前列左端)、アイリーン・シュムック氏(Digital Hub Hamburg、前列右端=GTAI提供)

なお、ジェトロとGTAI202212月にプレーアップイベントを共催し、地球規模の課題解決に向け連携する日本とドイツのイノベーション成功事例を「今年のベストプラクティス」として発表予定。

(注)当日の様子は以下のとおり(ジェトロセミナー公式YouTubeアカウント)。

Part1外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますPart2外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますPart3外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(小菅宏幸、矢島佳子)

(ドイツ、日本)

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