米ズークス、オースティンとマイアミでも自動運転のテスト走行を近く開始

(米国)

アトランタ発

2024年06月11日

米国のアマゾン子会社で自動運転タクシーを開発するズークス(Zoox)は6月5日、テキサス州オースティンとフロリダ州マイアミで、自動運転タクシーのテスト走行を開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社はこれまで、サンフランシスコ、ラスベガス、シカゴでテスト走行を行っており、オースティンとマイアミが加わると、全米5カ所でテスト走行を行うこととなる。同社によると、オースティンには横型信号機(注)やワイヤーにつるされた信号機、踏切、激しい雷雨といったユニークな運転環境がある。また、マイアミには交差点を斜めに横切るようにつるされた信号機があり、このような環境が同社の自動運転技術の開発に役立つという。まずは簡単なマッピングを実施した後、トヨタ自動車のハイランダーに同社システムを搭載して運転手が乗った状態で走行する。

一方で、同社はサンフランシスコとラスベガスでの商業サービス開始を検討しており、現時点ではオースティンやマイアミでの商業的な展開は予定していない。サンフランシスコとラスベガスでは同社の無人の自動運転タクシーを使用したテスト走行も開始している(「ロボットレポート」3月30日)。

米国での自動運転タクシー開発では、グーグルの親会社アルファベット傘下のウェイモがアリゾナ州フェニックスとカリフォルニア州サンフランシスコで自動運転タクシーの商業サービスを提供しており、カリフォルニア州ロサンゼルスやテキサス州オースティンでも商業サービスに向けたテストを行っている(2023年8月14日記事参照)。また、同社はニューヨーク州バッファローや首都ワシントン、ジョージア州アトランタでもテスト走行を行っている(2024年4月24日記事参照)。ゼネラルモーターズ(GM)の子会社クルーズは2023年10月に起きた人身事故の後、カリフォルニア州で全ての無人自動運転の業務停止を命じられ、その後、自発的に全米での無人自動運転業務を停止し、事業縮小を余儀なくされている(2023年12月11日2023年12月21日記事参照)。ただし、6月にはテキサス州ダラスの限られた地域で、自動運転の自律システムを作動させず、運転手が運転するかたちで再出発すると報じられている(WFAA 6月3日)。

(注)米国では縦型の信号機が主流だが、テキサス州など一部の州では横型の信号機も採用されている。同州オースティンの交通局によると、横型の方が強風に強い構造とされていることなどが理由という(AXIOSオースティン 2022年6月24日)。

(檀野浩規)

(米国)

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