自動運転の米クルーズ、従業員の24%削減を発表

(米国)

サンフランシスコ発

2023年12月21日

米国のゼネラルモーターズ(GM)の自動運転の子会社クルーズ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は12月14日、従業員3,800人の約24%に当たる900人を解雇することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新たに選出された社長兼最高技術責任者(CTO)のモー・エルシェナウィ氏は全従業員に送付したメールで、(1)解雇される従業員自身の過失ではないものの、全従業員の24%を削減、(2)今後は業務をシンプルにし、第一歩として、ボルトのプラットフォームで1つの都市で優れたサービスを提供することに専念、(3)その結果として、エンジニア部門以外のオペレーションや他の領域での人員削減になると述べた。

クルーズは10月に起きた人身事故の後(2023年10月12日記事参照)、カリフォルニア州で全ての無人自動運転の業務停止を命じられ、11月には全米の950台の無人自動運転車をリコールすることになった。その後、最高経営責任者(CEO)のカイル・ボーグト氏、CTOのダニエル・カン氏が辞任した。さらに、GMからの投資は大幅に削減されることが発表された(2023年12月11日記事参照)。カリフォルニア公益事業委員会は12月4日、クルーズに対して、10月に起きた人身事故で完全な情報の提供ができなかったことに対する説明を求める命令を出した(ロイター12月4日)。13日には同社は経営幹部9人を新たに解雇しているという(ロイター12月15日)。

今回の人員削減が評価され、GMの株価は4.8%上昇することになった(テッククランチ12月14日)。

クルーズが事業縮小する一方で、グーグル傘下のウェイモは自動運転のライドシェアサービスをサンフランシスコ、フェニックス都市部、ロサンゼルス、オースティンへと拡大している。

(松井美樹)

(米国)

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