米USTRのタイ代表が齋藤経産相と会談、日米欧韓の閣僚会合も実施
(米国、日本、韓国、欧州)
ニューヨーク発
2024年06月28日
米国通商代表部(USTR)は6月27日、キャサリン・タイ代表が日本の齋藤健・経済産業相と6月26日に会談したと発表した。また、商務省は6月26日、ジーナ・レモンド長官が齋藤経産相、欧州委員会のマルグレーテ・ベスタエアー執行副委員長、韓国の安徳根(アン・ドックン)産業通商資源部長官と閣僚会合を行ったと発表した。その他、日米韓による初の商務・産業閣僚会合や、第4回日米商務・産業パートナーシップ(JUCIP)閣僚会合も実施されており(2024年6月27日記事参照)、6月26日に首都ワシントンで複数の閣僚級会合が行われた。
USTRの発表によると、タイ代表と齋藤経産相は経済的威圧や過剰生産など、第三国の非市場的な政策や慣行に対処するため、引き続き協力していくことの重要性について議論した。USTRは経済的威圧などに対処する友好国との協力事例に、日米や英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国による「貿易関連の経済的威圧および非市場的政策・慣行に対する共同宣言」を例示した(2023年6月13日記事参照)。両閣僚はそのほか、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の貿易の柱で野心的な成果を出すことを確認したほか(注)、日米通商協力枠組み(2023年12月18日記事参照)、サプライチェーンにおける人権および国際労働基準の促進に関するタスクフォース(2024年2月16日記事参照)の次回会合についても議論した。
日米欧韓の閣僚会合では、商務省の発表によると、閣僚らは非市場的な政策や慣行が市場を歪(ゆが)め、労働者、産業、経済の強靭(きょうじん)性と安全保障を損なう可能性があるといった共通の懸念について議論した。また、日米韓の商務・産業閣僚会合を含む他の多国間フォーラムを通じたアプローチと整合的に、サプライチェーンを多様化する必要性についても議論した。
(注)IPEFの貿易の柱は、USTRがデジタル貿易の協議先送りを決めたことなどから、交渉は進んでいない。米国内では、USTRのこの決定に対して意見の隔たりが大きく、米国商工会議所(2024年6月6日記事参照)や、連邦下院監視・説明責任委員会(2024年3月11日記事参照)が独自の調査を行っている。
(赤平大寿)
(米国、日本、韓国、欧州)
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