米中ビジネス評議会が習国家主席と会談、商業関係改善を訴える

(米国、中国)

ニューヨーク発

2024年03月28日

米中ビジネス評議会(USCBC)のクレイグ・アレン会長は3月27日、中国の習近平国家主席とUSCBCのリーダーとの北京での会談を終え、声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。アレン会長は、中国経済のリバランスの重要性や、USCBCによる両国の商業関係などの改善努力を強調した。

アレン会長は声明の冒頭でまず、「習国家主席との対話に招待され、参加できたことを光栄に思う」と述べた後、貿易、投資、景況感の低下に対する懸念とともに、米中両国間の商業交流の改善に貢献したいというUSCBCの願いについて議論したと述べた。その上で、USCBCは中国での消費拡大による中国経済のリバランスの重要性を強調し、中国政府が長年の懸念である越境データフローや政府調達、知的財産権のより良い保護、規制の透明性と予測可能性に対して、一層対処するよう促したと述べた。USCBCはまた、2023年11月にサンフランシスコで行われたジョー・バイデン大統領と習国家主席による首脳会談(2023年11月16日記事2023年11月17日記事参照)で示された女性の健康、気候変動などでの米中2国間協力の支援に向けた取り組みについても習主席に伝えた。

USCBCの声明にあるように、米中間の貿易額は2023年に落ち込んだ。中国は2007年以降、一貫して米国の国別輸入額で首位だったが、2023年は前年比20.3%減となり、メキシコに次いで2位に転落した。主にノートパソコンやスマートフォンの輸入額減少が影響したほか、ルーターなどの輸入額も米中対立が顕在化して以降、顕著に減少した。投資の面では、特に情報分野(注1)が減少している(2023年10月16日付地域・分析レポート参照、注2)。

一方で、米中両国は金融ワーキンググループ(2024年1月23日記事参照)や、経済ワーキンググループ(2024年2月9日記事参照)などを通じて、両国商業関係の改善や安定化を図っている。4月にはジャネット・イエレン財務長官が訪中する予定とも報じられている(政治専門紙「ポリティコ」3月23日)。両ワーキンググループは、イエレン長官が2023年7月に訪中(2023年7月10日記事参照)した際に設置が合意された。今回実現すれば、任期中2度目の訪中となる。

(注1)情報分野には、ソフトウエアの生産、電気通信、データ処理などが含まれる。

(注2)米国の対中輸入額や情報分野の投資残高の推移については、ジェトロのウェビナー資料PDFファイル(1.3MB)も参照。

(赤平大寿)

(米国、中国)

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