米財務省、中国との第3回経済ワーキンググループ開催、イエレン長官の年内訪中を示唆

(米国、中国)

ニューヨーク発

2024年02月09日

米国財務省は2月6日、中国との3回目の経済ワーキンググループ(EWG)を2月5~6日に開催したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回は初めて北京で開催され、米財務省と中国財務部の高官が主導した。両国はEWGと金融ワーキンググループ(FWG)の立ち上げを2023年9月に発表していた(2023年9月25日記事参照)。

両国はEWGで自国のマクロ経済見通しについて意見交換したほか、低所得国や新興国の債務問題など、共通の課題に対する協力について議論した。米国側は、中国の産業政策や過剰生産(注)、その結果生じる米国の労働者や企業への影響など、懸念すべき問題を率直に提起した。また、デカップリング(経済の切り離し)を求めておらず、米国企業と労働者に公平な競争条件を与える健全な経済関係を求めていることをあらためて伝えた。両国は次回のEWGを4月に行うことで同意した。

また、米財務省の発表によると、同省の代表団は北京滞在中に中国の何立峰副首相と会談し、ジャネット・イエレン財務長官がEWGの進展を歓迎していることや、両国の意思疎通と協力を引き続き深めていくことの重要性について議論したことを伝えた。併せて、イエレン財務長官が2024年中に再び中国を訪問する意向があることも伝えた。1月に北京で行われた第3回FWGで、米国代表団が何立峰副首相と会談した際には、イエレン財務長官の訪中時期を「適切な時期」とするにとどめていた(2024年1月23日記事参照)。

(注)財務省の発表では、特定の品目に関する言及はないものの、鉄鋼などの過剰生産を指しているとみられる(2023年3月20日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国、中国)

ビジネス短信 e73290b873c65c60