米国務省、ボーイングと輸出管理違反について和解

(米国)

ニューヨーク発

2024年03月04日

米国国務省は2月29日、ボーイングと、同社の輸出管理違反について和解したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同省の発表によると、ボーイングは武器輸出管理法(AECA)と国際武器取引規則(ITAR)に合計で199件違反していた。罰金は5,100万ドルになる。ただし、違反は全て自主開示されており、コンプライアンス強化を行うことで一部の支払いは留保される。

具体的には、ボーイングは外国人従業員や請負業者への技術データの無許可の輸出・再移転、防衛品目の無許可の輸出(ITARで禁止している輸出先の中国への技術データの無許可の輸出を含む)、防衛取引管理局(DDTC)が認可した条件の非順守など、合計で199件の違反をしていた。

これに対し、ボーイングは国務省と36カ月間の協定を結び、同省に5,100万ドルの罰金を支払う。ただし、協定に基づいて同社のコンプライアンスプログラムの強化に資金を使うことを条件に、罰金のうち2,400万ドルの支払いは留保される。さらに、同社は協定の最初の少なくとも24カ月は同協定の履行を監督するため、外部の特別コンプライアンスオフィサーを雇用し、2回の外部監査と追加のコンプライアンス対策を実施する。

バイデン政権は近年、米国の安全保障のため、輸出管理の執行強化に力を入れている(2024年1月18日記事参照)。2月には、先端技術の輸出管理違反を取り締まる商務省と司法省による破壊的技術ストライクフォースの設立1周年を記念したサミットを行い、同タスクフォースが活動する都市の拡大を公表した(2024年2月15日記事参照)。一方で、違反者による自主開示も奨励しており(2024年1月25日記事参照)、自主開示することで罰則の軽減や訴追免除につながるとしている。

(赤平大寿)

(米国)

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