1月~2月6日の米国EV税額控除事前支払い額は1億3,500万ドル、メディア報道

(米国)

ニューヨーク発

2024年02月20日

米国財務省は2月14日、2024年1月1日から2月6日までの期間に、インフレ削減法(IRA)が定めるクリーンビークルの購入者に対する税額控除の事前支払い分として、自動車販売店(ディーラー)に対し1億3,500万ドルを還付したと発表した。ロイターなど複数のメディアが報じた。また、ディーラーが内国歳入庁(IRS)に報告した事前支払いの対象件数は1万9,500件以上だった。

IRAの下でクリーンビークルの購入者は一定の条件を満たす場合、新車で最大7,500ドル、中古車で最大4,000ドルのクレジットが与えられ、納税額に対する還付のかたちで控除額を受け取れる。2024年1月1日からは、購入者が自動車ディーラーにクレジットを譲渡し、納税申告を待たずに、控除額分を割引として受け取ることが認められている(2023年10月10日記事参照)。ディーラーはIRSにクレジットの譲渡に関する情報を報告し、その後72時間以内に控除額分を受け取る仕組みとなっている。ブルームバーグのコーリー・キャンター電気自動車(EV)シニアアソシエイトは、財務省が今回発表した総額から、当該期間に販売されたクリーンビークルの15~20%が控除対象となったと試算する(政治専門紙「ポリティコ」2月14日)。財務省のウォーリー・アディエモ副長官は「(IRAの)この条項の施行から1カ月が経ち、新たな前払い割引に対する強い需要がある。米国でこの(EV)業界の成長の勢いは続くだろう」と述べた(ロイター2月14日)。

税額控除の対象となる車両要件に関しては、2022年8月に北米での最終組み立て要件(2022年8月18日記事参照)、2023年4月にはバッテリー調達価格要件の適用が開始した(2023年4月18日記事参照)。エネルギー省の発表によると、2月16日時点でこれらの要件を全部あるいは一部クリアし、全額あるいは半額の税額控除の対象となる車両は27モデルある。(添付資料表参照、注)。

(注)2024年1月1日時点の19モデルから、フォルクスワーゲンの「ID.4」の8モデルが追加された(2024年1月10日記事参照)。

(大原典子)

(米国)

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