再生可能エネルギー博覧会、チェンナイで開催

(インド)

チェンナイ発

2024年02月16日

インド南部タミル・ナドゥ州チェンナイで28日から10日まで、再生可能エネルギー博覧会が開催された。2023年に続き、今回が6回目の開催で、ウオーター・トゥデー社が再生可能エネルギー(バイオ燃料、バイオマス、地熱、太陽光、風力)関連の産業振興を進めることを目的に主催した。博覧会では、国内の再生可能エネルギーとエネルギー効率技術や貯蔵技術に焦点を当て、最新技術や製品を紹介した。

今回の出展社数は84社で、前回より13社増加。そのうちの80%以上は太陽光発電関連企業で、発電用パネル(モジュール)、インバーターや高エネルギー変換効率を達成する設置制御システム、エネルギーを貯蔵するバッテリーなどの実物製品を展示、集合住宅や個人住宅向けにも設置が可能な小型化製品も紹介していた。また、国内の工場や鉄道駅の屋根に太陽光パネルを設置した施工事例や、地方の村の生活レベル向上に太陽光パネルを設置した社会貢献事例も併せて紹介した。来場者は出展担当者の説明に傾聴しており、関心の高さが垣間みられた。

写真 出展企業の説明を熱心に聞く来場者(ジェトロ撮影)

出展企業の説明を熱心に聞く来場者(ジェトロ撮影)

出展社の発電用パネル(モジュール)に使われるセルは中国製が主流だ。中国製セルを採用した最大発電容量540ワット(W)のパネル(縦2,278ミリ、横1,134ミリ)1枚当たりの工場出荷価格は約1万2,000~1万5,000ルピー(約2万1,600~約2万7,000円、1ルピー=約1.8円)だった。インド製セルを採用したパネルは中国製セル品に比べて約10%高い価格だが、「メーク・イン・インディア」をアピールしている出展企業が多くみられた。

インドは、2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、2030年までに総発電設備容量に占める非化石燃料ベースの割合(再生エネルギー電源)を50%にすると宣言し、10億トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減するという目標達成に向けて取り組んでいる(2021年11月5日記事参照)。その一環として、中央政府の新・再生可能エネルギー省は、高効率太陽光発電モジュール分野を生産連動型奨励制度(PLI)の補助対象に指定(2023年4月6日記事参照)、さらに、住宅の屋上太陽光発電設置に対する財政支援策(ルーフトップ・ソーラー・プログラムII)により、個人住宅や住宅社会での太陽エネルギー導入とクリーンエネルギー利用を強化することを通達、「自立したインド」実現に向けての取り組みを加速させている(2020年5月14日記事参照)。

(淺羽英樹)

(インド)

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