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モディ首相、2070年までのGHG排出量ゼロを宣言

(インド)

ニューデリー発

2021年11月05日

インドのモディ首相は11月1日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26、2021年11月1日記事参照)で、2070年までにネットゼロ〔温室効果ガス(GHG)純排出ゼロ〕を達成すると表明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。インドがネットゼロを目指す具体的な時期に触れたのは初めてだ。

モディ首相はCOP26での演説で、インド国内では非化石燃料による発電容量が過去7年間で25%以上増え、全発電容量に占める割合が4割に達したことを紹介し、2015年のパリ協定の目標達成に向けた計画を着実に進めてきたと強調した。また、インドが世界人口の17%を占める一方で排出量は5%であることを指摘しつつ、気候変動の枠組みにおける新たな目標として以下の5つを具体的に掲げた。

  • 非化石燃料による発電容量を2030年までに500ギガワット(GW)に引き上げる。
  • 総電力の50%を2030年までに再生可能エネルギー源とする。
  • 現在から2030年までの期間に予測されているGHG排出量を10億トン削減する。
  • 2030年までにインド経済の(GDP当たりの排出量)炭素強度を45%以上削減する。
  • 2070年までにネットゼロを達成する。

モディ首相はこれらの目標達成のために先進国からの資金と技術の支援が必要不可欠ともクギを刺した。まずは1兆ドルの資金支援を先進国に求めるとともに、気候変動の目標だけでなく、こうした資金面での支援に関しても進捗を管理すべきだと述べた。

モディ首相がネットゼロの達成目標を2070年としたことについて、国内外メディアは有識者や産業界の主に好意的な声を報じている。有識者からは、日本や米国、EUが目標とした2050年や、中国、ロシアが掲げる2060年に比べ、インドが示した目標が10~20年遅いことに批判的な声があるとしつつも、これまでネットゼロの達成時期を宣言してこなかったインドが初めて具体的な時期に言及したことを評価する論調が多い。産業界からは、今回のモディ首相の宣言は野心的でありつつ実務的な内容だとする一方、実際の達成には先進国からの協力を含めて大規模な投資が必要になるとの声が挙がっている。

現在、インドの総発電量の半分以上は石炭を中心とする火力発電に依存しており、大型水力発電を含む再生可能エネルギーによる発電の比率は37.9%だ。国際エネルギー機関(IEA)によると、インドにおける燃料燃焼からの二酸化炭素排出量は23億7,189万トン(2019年値)と、全世界では中国、米国に次いで多い。他方、この排出量を人口1人当たりに換算すると1.69トンとなり、世界平均(4.39トン)の半分以下だ。

(広木拓)

(インド)

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