華東地域3省の2023年GRP成長率、中国全体の成長率上回る

(中国)

上海発

2024年02月02日

中国の華東地域3省(江蘇省、浙江省、安徽省)の各統計局の発表(注)によると、2023年の3省の域内総生産(GRP)は、江蘇省が前年比5.8%増の12兆8,222億元(約256兆4,440億円、1元=約20円)、浙江省が6.0%増の8兆2,553億元、安徽省が5.8%増の4兆7,051億元だった。いずれも中国全体の成長率を上回った(2024年1月26日記事参照)(詳細は添付資料表参照)。上海市の実質GRP成長率は前年比5.0%だった。華東地域3省1市のGRPは合わせて30兆元超で、中国全体に占める割合は24.2%となった。

年度当初に設定された成長率の目標(江蘇省5%前後、浙江省5%以上、安徽省6.5%前後、2023年2月6日記事参照)からみると、江蘇省と浙江省は達成したが、安徽省が目標より0.7ポイント低下し、達成しなかった。

各省統計局は2023年の総括や2024年の目標を次のように示した。

江蘇省は、経済は回復傾向にあるが、不安定性や不確実さもあり、経済の発展は依然として多くの困難と課題に直面しているとした。2024年の目標については、GRP成長率5%以上、社会消費品小売総額の成長率を5.5%前後、消費者物価指数(CPI)上昇率を3%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率をGRP成長率と同水準に設定した。2024年の重点項目として、ビジネス環境の改善、消費市場の拡大、新型工業化の強化、対外開放の拡大などを挙げた。

浙江省は、2023年の経済は安定的に回復し、年度目標を達成したが、一部の分野では外部環境の複雑さや不確実性に直面しており、経済の持続的な好転には依然として困難な状況が続いているとした。2024年の目標については、GRP成長率を5.5%前後、固定資産投資総額の伸び率を6%前後、社会消費品小売総額の伸び率を5.5%前後、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率をGRP成長率と同水準、CPI上昇率を3%前後に設定した。2024年の重点項目として、浙江省と同様に、ビジネス環境の改善や対外開放の拡大を挙げるとともに、投資と消費の拡大やデジタル経済の拡大、グリーン発展の推進なども挙げた。

安徽省は、2023年の主要経済指標は中国全体の水準を上回ったが、需要不足や一部の中小企業の経営困難といった課題から、経済回復の基盤は依然として強固なものとはいえないとした。2024年の目標については、GRP成長率6%前後、固定資産投資の伸び率を7%前後、社会消費品小売総額の伸び率を7%前後と設定した。また、貿易総額を9%前後増、外商直接投資を10%増以上、住民1人当たりの平均可処分所得の伸び率は都市部が6.5%、農村部が7.5%、CPI上昇率を3%前後に設定した。CPI以外の目標値はいずれも2023年より下方修正した。2024年の重点項目には、自動車産業を「第一産業」とする新たな産業システムの構築、内需の拡大、域内協調発展の推進、グリーン・低炭素発展の強化などを挙げた。

(注)江蘇省は1月29日、浙江省は1月23日、安徽省は1月26日に発表。

(宋青青)

(中国)

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