サウジアラビア商業相、BRICSへの加盟について発言

(サウジアラビア、米国、ブラジル、インド、ロシア、中国、南アフリカ共和国)

リヤド発

2024年01月19日

サウジアラビアのマジッド・ビン・アブドゥッラー・アール・カサビ商業相は1月16日、スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラム(WEF)年次総会のパネルセッションで、サウジアラビアはBRICS(2024年1月5日記事参照)に招待されているが、正式にはまだ加盟していないと述べた(1月17日付「アラブ・ニュース」)。

サウジアラビアは、2023年8月にBRICSへ新規加盟することを発表(2023年8月29日記事参照)、加盟予定日だった2024年1月1日以降にサウジアラビアの国営テレビが同国のBRICS加盟を報じたが、その後、ソーシャルメディアのアカウントからその報道が削除されていた。今回、カサビ商業相によりサウジアラビアの現在の立場が明確に示された。なお、現時点でサウジアラビア政府は詳しい状況を発表していない。

前述の「アラブ・ニュース」は、サウジアラビアがBRICSへの正式加盟を慎重に判断している背景として、米国と中国の地政学的緊張の高まりを挙げている。サウジアラビアは米国との結びつきが強いが、最近の中国との関係強化が米国の懸念を引き起こしている。一方で、米国が湾岸諸国の安全保障に以前ほどコミットしていないという懸念から、サウジアラビアは独自の戦略を追求するようになっているとしている。

なお、サウジアラビアの現地メディアは、ロイターなどの外信を情報ソースとした報道にとどまっており、それ以外の情報は報じられていない。

(位田陸)

(サウジアラビア、米国、ブラジル、インド、ロシア、中国、南アフリカ共和国)

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