ジェトロ、UAEで日本のスタートアップの脱炭素関連技術を紹介

(日本、アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年12月08日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の開催(2023年12月1日記事参照)に合わせて、ジェトロは「Japan Green Innovation Conference」を開催した。日本企業が水素関連技術などを紹介した(2023年12月8日記事参照)ほか、日本のスタートアップ7社も登壇し、各社の脱炭素技術を紹介した。概要は次のとおり。

アルハイテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、アルミニウムを使った水素製造装置を紹介した。従来、水素エネルギーの利用では、輸送や貯蔵などの設備運用コストが課題だったが、同社の技術は水素ではなくアルミを輸送・貯蔵して必要な時に水素を製造でき、原料には廃アルミの利用も可能だ。

アークエッジ・スペース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、リモートセンシング技術を利用した環境調査や災害予知などへの貢献を紹介した。衛星リモートセンシング(地球観測)と、船舶向けVDES通信衛星による海洋状況把握技術を活用し、気候変動対策などに寄与する。

JEPLAN外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、PETケミカルリサイクル技術を紹介した。ケミカルリサイクルは、原料に化学的な処理を施すことで別の化学物質に転換する手法だ。ペットボトルや服などの再生に技術が適用されており、従来の製造過程と比較して温室効果ガス排出量削減にも貢献する。

Recursive外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、住友林業とIHIとの協業で開発した水位シミュレーション技術を紹介した。熱帯泥炭地の地下水位コントロールのために、人工知能(AI)技術を活用し、対象エリアの7日後までの地下水位が予測可能で、二酸化炭素(CO2)排出や森林火災の抑制に貢献する。

SPACECOOL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、放射冷却素材でつくられた光学フィルムを紹介した。同商品は、太陽光や外気による熱を95%以上ブロックし、熱吸収を抑え、さらに放射冷却の原理で95%以上の熱を逃がすことで、ゼロエネルギーで温度を低下させることができる。

つばめBHB外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、「エレクトライド触媒」技術によるアンモニア製造について説明した。既存技術と比較し低温・低圧でアンモニア合成が可能になり、より安全で小規模なプラントで製造ができる。また、同社はUAEでのグリーンアンモニアの導入を目指し、アブダビ国営石油会社(ADNOC)との共同研究も進めている。

WOTA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、オフグリッドで実施可能な水再生技術について紹介した。同社の独立型の水再生システムは、住宅などのほか、災害地でも活用されている。水資源の有効活用に加えて、水道管が敷設されていない国・地域でも活用できるため、水道インフラ整備コストの削減にも貢献する。

写真 スタートアップピッチセッションに登壇する日本企業7社(ジェトロ撮影)

スタートアップピッチセッションに登壇する日本企業7社(ジェトロ撮影)

(清水美香)

(日本、アラブ首長国連邦)

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