COP28がドバイで開幕、第1回「グローバル・ストックテイク」の成果に注目

(アラブ首長国連邦、世界)

ドバイ発

2023年12月01日

国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が11月30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開幕した。

COP28では、パリ協定で定めた各目標に対する進捗状況を5年ごとに包括的に評価する「グローバル・ストックテイク(GST)」を初めて実施する。COP28の議長を務めるスルターン・ビン・アフマド・スルターン・アール・ジャーベルUAE産業・先端技術相兼アブダビ国営石油会社(ADNOC)最高経営責任者(CEO、2023年1月17日記事参照)は開会スピーチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「パリ協定締結後、われわれは進歩を遂げてきたが、このままでは目標を達成するのが難しいことが科学的にも明らかになっている。だからこそ、科学的に新しい道を見つける時であり、過去の障壁や回り道から解放されGSTによって新しい道へ軌道修正し、2030年に向けてアクションを加速させていくべきだ」と述べた。

また、2022年のCOP27で論点となった「損失と損害(Loss and Damage)」に対する補償について、気候変動の悪影響に脆弱(ぜいじゃく)な途上国を支援するための基金の設立が「シャルム・エル・シェイク実行計画」に盛り込まれ、その運用についてはCOP28で検討・採択される予定とされていた。この基金について、11月30日の記者会見でジャーベル議長は、同日に運用開始に合意されたことを発表した。ジャーベル議長は「シャルム・エル・シェイクで締約国が合意してから約1年でこの基金の運用を開始するという、世界が結集したスピードは前例のないものだ」と述べている。

COP28では、世界気候変動サミットに加えて、エネルギーや食糧など各テーマの下で会議や展示などが実施される。12月12日まで13日間の開催予定で、7万人以上の参加者が見込まれている。

写真 COP28の会場(ジェトロ撮影)

COP28の会場(ジェトロ撮影)

(清水美香、久保田夏帆)

(アラブ首長国連邦、世界)

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