マレーシア設定のSDG指標、7割が改善傾向、自治体レベルの進捗も閲覧可

(マレーシア)

クアラルンプール発

2023年12月11日

マレーシア統計局は12月7日、同国の持続可能な開発目標(SDGs)の実施進捗を示すSDG指標を2023年では初めて公開した(統計局プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。国連が設定する248のSDGグローバル指標のうち、マレーシアが公表する指標は2022年時点で195と79%に相当し、カバレッジは2018年時の41%から年々上昇傾向にある。さらにこのうち、2022年のデータが取得可能な146指標中、約7割に当たる99指標で改善が見られたことが分かった。この結果を受け、マレーシアはSDGs達成に向けた軌道に乗っているとの評価が報じられている。

統計局のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(「Free Download」にアクセス後、Main Categoryで「Social」、Sub-Categoryで「Social Statistics」を選択)では、マレーシア全国の総論と重点5分野〔ピープル(人間)、繁栄、地球、平和、パートナーシップ〕と、各州・連邦直轄地のSDG指標に関する報告書(マレー語、英語併記)がダウンロード可能で、自治体レベルでの進捗を参照できる。地方でもSDG実施を積極化しようとする第12次マレーシア計画の中間点検(2023年9月15日記事参照)に沿った取り組みだ。

統計局によると、5つの重点分野のうち「繁栄」では、1人当たり実質GDP成長率が2.9%から8.2%へ、失業率が同4.6%から3.9%へと、53指標のうち26指標で向上が見られた。「地球」分野では、全国のリサイクル率が31.5%から33.2%へ上昇する一方、産業廃棄物の処理量が751万トンから592万トンへ減少するなど、緑化への取り組み推進がうかがえる。「ピープル(人間)」では、マレーシアの妊産婦死亡率は2021年時の68.2(出産10万対)から2022年には26.0(出産10万対)と大幅に下がるなど、69指標のうち31指標で改善した。また「パートナーシップ」では、例えば、個人のインターネット利用率が96.8%から97.4%へとほぼ100へ近づくなど、17指標のうち15指標で進展があった。

なお、国連とマレーシア投資貿易産業省(MITI)は2023年6月に、投資家向けの情報提供ツール「マレーシアSDG投資家マップ」を初公開し、SDG投資促進を支援している(2023年6月20日記事参照)。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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