米財務省、中国との経済・金融ワーキンググループを初開催

(米国、中国)

ニューヨーク発

2023年10月26日

米国財務省は1023日と25日、中国との「経済ワーキンググループ(EWG外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注)と「金融ワーキンググループ(FWG外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をそれぞれオンライン形式で初めて開催した。

EWGFWGは、米国のジャネット・イエレン財務長官が7月の訪中時に中国の何立峰副首相と合意した事項に基づいて設置された(2023年9月25日記事参照)。EWGでは2国間の経済政策に関わる事項を協議する一方、FWGでは金融政策に関わる事項と米中共通の課題での協力を議論する。イエレン長官と何副首相の指揮の下、EWGは米国財務省と中国財政部、FWGは米国財務省と中国人民銀行(中央銀行)がそれぞれ主導する。

米国財務省の発表によると、EWGでは国内と世界のマクロ経済情勢などについて生産的かつ実質的な議論を行った。米国は中国に対し、懸念点を率直に伝えた。FWGでは国内と世界の金融の安定や金融監督と規制、持続可能な金融、マネーローンダリングやテロ資金供与防止対策に関し、実質的で幅広い議論を行った。米国は中国と意見が異なる分野を率直に取り上げた。いずれの会合も2時間にわたって実施された。

米国と中国は2国間関係の安定化に向け、政府高官による対話を続けている。米国務省は1023日、中国外交トップの王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)が10月26~28日に訪米すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。アントニー・ブリンケン国務長官と会談し、2国間や地域、世界の課題について幅広く話し合う見通しだ。この訪問は6月のブリンケン国務長官の中国訪問(2023年6月21日記事参照)を受けたものとされている(AP通信1024日)。王毅氏はジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)とも会談する予定で、各会談では、11月に米国サンフランシスコで行われるAPEC首脳会議に合わせた米中首脳会談の開催も議題になるとみられる(NBCニュース1023日)。

(注)中国側の発表は2023年10月26日記事参照。

(甲斐野裕之)

(米国、中国)

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