英政府、経済成長や雇用創出に向け、重要インフラの計画プロセス迅速化を発表

英国政府は7月25日、重要インフラの計画プロセスを迅速化する計画を発表。地域活性化政策を所管するレベリングアップ・住宅・コミュニティー省から発表された。政府は、現在のシステムを合理化し、重要インフラプロジェクトを許可するまでの時間を短縮するとともに、計画認可への迅速なルート（ファストトラック）を新設することを提案している。

ファストトラックの対象となる重要インフラプロジェクトには、洋上風力発電所や原子力発電所などのエネルギー、交通、水、廃棄物処理など含む。今回の改革は、経済の成長や新規雇用の創出、新たな機会の促進に必要不可欠なインフラが負担の大きい計画プロセスによって妨げられないようにするものとしている。

インフラ計画の承認プロセスでのより迅速な同意、より効率的な協議に関して、同日付で意見公募も開始している。事前申請の協議先やタイミング、必要要件の明確化や、政府専門機関のパフォーマンス向上、申請者と地方自治体、地域コミュニティーとのエンゲージメント改善などを提案し、9月19日まで意見を募集する。また、重要なインフラ整備の迅速化を支援するため、「イノベーション・キャパシティー・ファンド」の第2ラウンドを通じた自治体への追加支援の募集開始も発表している。

環境、エネルギー、レベリングアップ、運輸の各部門の担当相からなるグループが改革を推進する。進捗を妨げ得る潜在的な問題を特定し、実用的な解決策を迅速に講じ、改革の実現を早めるとしている。

なお、エネルギー安全保障・ネットゼロ省は、2023年3月に発表したエネルギー戦略「パワーリングアップブリテン」で、「投資誘致の計画プロセスの迅速化」として、太陽光発電や洋上風力発電プロジェクトを含むより多くのエネルギーインフラを迅速に建設できるよう、計画プロセスを改革することを掲げている（2023年4月5日記事参照）。

（菅野真）