新・再生可能エネルギー省、グリーン水素の定義通達

(インド)

調査部アジア大洋州課

2023年08月31日

インド新・再生可能エネルギー省(Ministry of New and Renewable Energy:MNRE)は8月19日、「国家グリーン水素ミッション(National Green Hydrogen Mission)」(2023年8月24日付地域・分析レポート参照)推進に向けた重要な動きとして、インドのグリーン水素の定義を通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

MNREはグリーン水素の定義について、原料の生産から出荷までの生産工程(水処理、電解、ガス精製、乾燥、水素の圧縮を含む、ウエル・トゥー・ゲート)で許容される二酸化炭素(CO2)排出量が水素1キログラム(kg)の生産につき2kg以下であることを条件とした。なお、同定義の対象には、電解をベースとする生産方法と、バイオマスをベースとする生産方法の両方が含まれる。

今回の通達では、グリーン水素とその誘導体の測定、報告、監視、現場検証、認証の詳細な方法論はMNREが指定するものと規定している。また、電力省(Ministry of Power:MOP)下のエネルギー効率局(Bureau of Energy Efficiency:BEE)がグリーン水素製造プロジェクトの監視、検証、認証のための機関の認定を行う統括機関であることも明記している。

インドはグリーン水素生産の世界的なハブ構築を志向しており、政府は2023年1月、1,974億ルピー(約3,553億円、1ルピー=約1.8円)規模の「国家グリーン水素ミッション(National Green Hydrogen Mission)」を承認(2023年6月9日付地域・分析レポート参照)した。同ミッションのもと、2030年までに年産500万トン(t)のグリーン水素を生産し(2022年3月7日記事参照)、それに関連する再生可能エネルギー容量を約125ギガワット(GW)とする目標を掲げている。

MNREは今回の通達により、インドでのグリーン水素生産はより明確になるとし、同国は世界でもグリーン水素の定義を公表した数少ない国の1つとしている。

(寺島かほる)

(インド)

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