中国電池大手の国軒高科がシーメンス、BASFと協力強化

(中国、ドイツ)

北京発

2023年07月19日

中国のリチウムイオン電池大手の国軒高科(Gotion High-Tech)は7月6日、ドイツのシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアと戦略的パートナーシップ協定、BASFと覚書(MOU)を締結した。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアとは、人工知能(AI)産業用制御システムを活用したクローズドループによるデジタル化研究、製造、マネジメントプラットフォーム構築や、シーメンスのソリューションを使用した国軒高科のデジタルトランスフォーメーションなどを行う。

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアの梁乃明グローバル高級副総裁は「信頼できるパートナーとして国軒高科のデジタル化レベルの向上に力を尽くす」とした。

BASFとは、バッテリー分野の化学材料に関する協力などを進める。BASFグレーターチャイナの楼剣鋒董事長兼総裁は、BASFはバッテリーに関する軽量化や、正極材、負極材に関する化学品など幅広い分野でソリューションを提供できるとし、国軒高科との間にはまだ多くの協力できる分野があるとした。

中国政府はドイツ企業との協力を主導している。6月の李強首相のドイツ訪問時にはシーメンス、BASFを含めた現地企業との座談会を実施(2023年6月27日記事参照)、中国政府とドイツ企業とのMOUも締結(2023年6月27日記事参照)された。

国軒高科は、2022年6月にドイツでリチウムイオン電池の生産拠点を開所(2022年7月7日記事参照)、2023年6月にはモロッコ政府とMOUを締結(2023年6月12日記事参照)するなど海外展開を積極的に進めている。

(河野円洋)

(中国、ドイツ)

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