中国リチウムイオン電池製造大手が進出

(モロッコ、中国)

ラバト発

2023年06月12日

中国のリチウムイオン電池製造大手の国軒高科(Gotion High-Tech)は5月31日、マラケシュで開催されたGITEX AFRICA(2023年6月9日記事参照)の期間中に、アフリカ大陸初となるギガワット(GW)級電池工場建設計画の遂行に向けた覚書(MOU)をモロッコ政府と締結した。締結式にはモロッコ側から、アジズ・アハヌッシュ首相、モフシン・ジャズリ投資・公共政策統合・評価担当特命相、投資貿易開発庁(AMDIE)のアリ・セディッキ総裁が出席した。

今回のMOUの目的は、双方の再生可能エネルギー分野での協力であり、特に国内での電気自動車(EV)生産に向けた活用にある。ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)を大株主に持つ同社の狙いは、EV用バッテリー製造および蓄電システムのエコサイクルをモロッコにつくり上げるとことにあるとされる。投資エリアは、首都ラバトからケニトラにかけての地域とされ、年間生産容量は100ギガワット時(GWh)になる見込みだ。

また今回の計画では、モロッコが強力に推進している太陽光発電や風力発電エネルギーの効率的な蓄電方法を模索し、市民へのグリーンエネルギー普及の実現も目指す。

政府は、本計画は10年間で3万人の雇用を創出し、2030年までの必要投資額を650億ディルハム(約8,905億円、1ディルハム=約13.7円)と見積もる。

(本田雅英)

(モロッコ、中国)

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