国軒高科、ドイツでリチウムイオン電池の生産拠点を整備、中国メーカーで3社目

(中国、ドイツ)

上海発

2022年07月07日

中国のリチウムイオン電池製造大手の国軒高科(Gotion High-Tech)は6月27日、ドイツのゲッティンゲン市で新たな生産拠点の開所式を行った。欧州新エネルギー市場の発展と新エネルギー技術の向上を見据えて商品を開発し、商用車や乗用車、エネルギー貯蔵システム向け電池の販路拡大を目指す。新拠点は2021年に買収したボッシュの工場で、国軒高科にとって欧州初の生産拠点となるが、ドイツに電池工場を設ける中国企業としては、蜂巣能源科技(SVOLT)(2021年11月4日記事参照)、寧徳時代新能源科技(CATL)(2022年4月19日記事参照)に次いで3社目となる。

新拠点の敷地面積は約17万4,000平方メートルで、2022年末までに5ギガワット時(GWh)の電池を生産する予定だが、2025年には完全稼働する見通しで、最大20GWhの生産が可能となる。

国軒高科は安徽省合肥市に本社があり、2015年5月に深セン証券取引所への上場を果たした。2022年1~3月期の車載電池搭載量は2.7GWhで、CATLなどに次ぐ世界ランキング7位となった。2020年にフォルクスワーゲン(VW)が11億ユーロで同社の株式の26%を取得し、筆頭株主になってからグローバル戦略が加速している。国軒高科は米国、日本(つくば市)、シンガポール、ドイツ、インドなどで研究開発センターを建設する一方、2025年に300GWhの電池生産を実現するため、欧州、ベトナムなどにも新工場の建設を計画している。

(劉元森)

(中国、ドイツ)

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