モディ首相、フランスとUAE訪問、両国首脳と会談

インドのナレンドラ・モディ首相は7月13～15日、フランスとアラブ首長国連邦（UAE）を訪問し、両国首脳と会談した。モディ首相は2022年5月と6月に両国をそれぞれ訪れており、2年連続の訪問となった。

フランスの革命記念日の7月14日、モディ首相はインド・フランスの「戦略的パートナーシップ」関係構築25周年を記念した祝賀パレードに主賓として参加した。フランスのエマニュエル・マクロン大統領とともに共同声明を同日発表し、防衛・安全保障や経済分野の連携強化のほか、低炭素エネルギーやデジタルイノベーションなどの新しい分野でも協力を進めていきたいとの相互認識を示した。また、今後25年間で両国が目指す方向性を示した文書「ホライズン2047：インド・フランス戦略パートナーシップの未来を描いて」を提示した。

7月15日にはUAEのアブダビを公式訪問し、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と会談した。両首脳は共同声明で、2017年に両国関係が「包括的戦略パートナーシップ」に格上げされるなど良好な関係を築いてきたことに触れたほか、2022年5月に発効した包括的経済連携協定（CEPA）によって両国間の貿易が約15％拡大したと述べた。また、インドが9月にG20サミットを、UAEが11月に第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議（COP28）をそれぞれ議長国として開催することを受け、両国が国際社会で重要な役割を果たしているとした。さらに、インド工科大学（IIT）デリー校のアブダビ拠点を2024年1月に始動させ、同年9月に各教育課程プログラムを開始する計画を承認したほか、両国中央銀行による2国間取引での相互現地通貨決済の枠組みなどに係る覚書の締結に立ち会った。

モディ首相は5月のG7サミットに合わせた訪日（2023年5月24日記事参照）を皮切りに、3カ月連続で外遊して積極的な外交を展開している。5月は訪日後にパプアニューギニアとオーストラリア（2023年6月1日記事参照）、6月は米国（2023年6月23日記事参照）とエジプトを歴訪している。

（広木拓）