モディ首相、9年ぶりにオーストラリア訪問しアルバニージー首相と会談

(インド、オーストラリア)

ニューデリー発

2023年06月01日

インドのナレンドラ・モディ首相は5月24日、オーストラリアのシドニーにおいて、同国のアンソニー・アルバニージー首相と会談を行った。モディ首相は、5月19~21日に開催されたG7広島サミット(主要国首脳会議)に招待国として訪日後(2023年5月24日記事参照)、パプアニューギニアでイベントに参加した後、22日から24日にかけて、2014年以来9年ぶりにオーストラリアを訪問していた。

両首脳は会談で、防衛・安全保障、貿易・投資、再生可能エネルギー、グリーン水素、重要鉱物、教育、移住問題など幅広い分野について議論を交わし、「包括的戦略的パートナーシップ(CSP)」をさらに拡大・深化させることを約束した。中でも、モディ首相は共同記者会見で、2022年12月にインド・オーストラリア経済協力・貿易協定(ECTA)が発効したことについて触れ、包括的経済協力協定(CECA)の締結に向けて今後さらに重点的に取り組んでいくと述べた(2022年12月7日記事参照)。

また、両首脳は再生可能エネルギーについても意見を交わし、クリーンエネルギー分野での協力を推進するため「水素タスクフォース」を設立した。同タスクフォースは、クリーンな水素の製造と普及を目的として、水素電解槽や燃料電池、並びに関連インフラや基準、規制の整備を中心に推進していくものとされている。

首脳会談前の23日には、インド人コミュニティのイベントに両首相が揃って参加し、モディ首相はイベントの演説の中で、両国はインド・オーストラリア移住・移動パートナーシップ協定(MMPA)に合意しており、今後インドの高度人材によるオーストラリアでの就労がより促進されるであろうと述べた。オーストラリアには、在豪外国人としては英国人(約100万人)に次いで2番目に多い70万人超のインド人が在住しており、MMPAの締結によって今後さらなる学生、専門家、研究者、学者などの移住が促進される見通しだとして期待感を示した。

(高際晃平)

(インド、オーストラリア)

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