労働会議、燃料補助金撤廃に反対し再びゼネスト予告

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年07月28日

ナイジェリア労働会議(Nigeria Labour Congress:NLC)は7月26日、ゼネラルストライキを8月2日から開始すると通告した。NLCは燃料補助金の廃止(2023年6月2日記事参照)に反対しており、ガソリン価格引き上げなど物価高騰(2023年7月20日記事参照)に対する緩和策について連邦政府と協議を行っていた(2023年6月8日記事参照)。

しかし、補助金廃止以前、ガソリン価格は1リットル184ナイラ(約33円、1ナイラ=約0.18円)だったが、補助金廃止後は490ナイラに上昇した。最近では570ナイラ前後で販売されている。ガソリン価格の急騰に伴う交通費の高騰や、食品・学費などの値上げが続いている。

連邦政府は世界銀行からの8億ドルの融資(2023年4月14日記事参照)を活用し、1,200万世帯の低所得者に向けて毎月8,000ナイラを6カ月間支給する方針を掲げていたが、NLCなどの労働組合はその効果に疑問を呈し、政府は方針を再考するとしている。労組と政府は月額3万ナイラの最低賃金を月額20万ナイラに引き上げる可能性について議論しているが、妥結には至っていない。

ボラ・ティヌブ大統領は、就任してまだ間もないことを理由に、NLCが出している問題提起を評価するのにもう少し時間が必要と述べている。連邦政府はストライキに対して、前回同様に(2023年6月8日記事参照)、裁判所に対して差し止めを求める可能性を示唆しつつ、NLCなど労働組合と引き続き交渉を続けている。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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