世界水素技術会議が仏山市で開催

(中国)

広州発

2023年06月06日

中国広東省仏山市で522日から26日にかけて、水素分野の国際会議「第10回世界水素技術会議(WHTC)」が開催された。WHTCは、世界水素エネルギー会議(WHEC)と並ぶ水素分野の主要な国際会議の1つで、国際水素エネルギー協会などが世界各地で隔年開催している。今回は、第5回(2013年)以来10年ぶりの中国開催となった。

今回は「水素エネルギーとダブルカーボン戦略:現在から未来まで」をテーマとし、中国を含む15カ国139人の学者や専門家らが出席する学術会議および産業フォーラムが開催されたほか、会場併設のホールで126社の関連企業が出展する展示会も催された。中国各地の関連企業のほか、日本、ドイツ、米国などの企業が出展した。

日本からは日置電機が燃料電池システム向けの電力計測器を、トヨタ自動車が2022年に中国で販売開始した燃料電池自動車「MIRAI」などを展示した。出展企業からは「中国では、日本の水素技術に定評があり、ぜひビジネスチャンスにつなげたい」と、同国でのビジネスチャンスに期待を寄せる声が聞かれた。

写真 WHTC会場に展示されたトヨタの燃料電池自動車「MIRAI」(ジェトロ撮影)

WHTC会場に展示されたトヨタの燃料電池自動車「MIRAI」(ジェトロ撮影)

開催地の仏山市は中国国内有数の水素産業集積地だ。広東省内の他都市とともに、財政部など5部門が認定する燃料電池自動車モデル都市に選出されている(2021年9月7日記事および2020年9月24記事参照)。

20234月には、米国・カミンズと中国企業の合弁企業・康明斯恩澤(広東)水素エネルギーが水電解装置向けプロトン交換膜(PEM)の製造に着手する〔「康明斯(中国)投資ウェブサイト」428日)など、外資系企業の水素関連事業への投資事例が出てきている。

写真 バイヤーでにぎわう展示会場(ジェトロ撮影)

バイヤーでにぎわう展示会場(ジェトロ撮影)

(小野好樹)

(中国)

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