米プラグパワー、米最大規模の定置用水素燃料電池を供給へ

(米国)

ヒューストン発

2023年06月08日

米国の燃料電池システム開発のプラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は6月7日、カリフォルニア州ワインカントリーに位置するカリストガ市に、山火事などの緊急時にクリーンエネルギーを供給するため、スイスのエネルギー貯蔵企業エナジーボールト・ホールディングス(本社:ルガノ)に、米国で最大規模とされる8メガワット(MW)の定置用水素燃料電池を供給すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は山火事を防ぐため、悪天候時に州の電力網の運営者が電力を停止することを求めている。エナジーボールトは通常、このような電力停止措置時に、移動式ディーゼル発電機をレンタルしてカリストガ市でバックアップ電力を供給してきたとしている。プラグパワーの定置用水素燃料電池の導入で、よりクリーンで運用の柔軟性が高く、費用対効果の高い電力をマイクログリッドに供給することが可能になるという。

プラグパワーのアンディ・マーシュ最高経営責任者(CEO)は「カリストガ市のような停電の影響を受けやすい地域社会で、グリーン水素はクリーンで長時間のエネルギー貯蔵の必要性を解決するユニークな位置づけにある。当社の燃料電池ソリューションは、エナジーボールトのようなパートナーが水素燃料電池技術の力を活用し、クリーンなマイクログリッド発電というCPUCのビジョンを実現することを容易にしている」と述べた。

なお、プラグパワーの最近の動きでは、3月にワシントン州の空港で水素燃料電池を搭載した航空機の飛行試験(2023年3月8日記事参照)、フォークリフトに水素燃料電池導入サービス提供開始(2023年3月22日記事参照)、5月に商用電気自動車(EV)充電向け高出力定置用燃料電池システム発表(2023年5月9日記事参照)などがある。

(沖本憲司)

(米国)

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