米プラグパワー、EV充電向け高出力定置用燃料電池システム発表
(米国)
ヒューストン発
2023年05月09日
米国の燃料電池システム開発のプラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は5月1日、商用電気自動車(EV)充電向けの高出力定置用燃料電池システムを発表した。プラグパワーの標準的な1万8,000ガロン(約6万8,000リットル)の液体水素タンクとメガワット(MW)規模の燃料電池ソリューションを組み合わせることで、60メガワット時(MWh)以上の瞬時エネルギーを供給できるという。これは、600台以上のEVを充電できる量に相当するとしている。
発表によると、商用EVを導入する事業者は、グリッド電源容量の制限、クリーン電力の要件、グリッドインフラのアップグレードや設置のための長い待ち時間など、多くの障害に直面している。プラグパワーの今回の燃料電池システムについて、配送車などのEVフリートオーナー、バッテリーEVを保有するレンタカー会社、保守車両を保有する通信事業者、公共の充電ネットワークやEV充電器メーカーが大きな関心を寄せているという。
プラグパワーの燃料電池アプリケーションおよびグローバルアカウント担当ゼネラルマネジャーであるホセ・ルイス・クレスポ氏は「今後数年間でEVの普及が劇的に進み、電力需要がグリッドに負担をかける中、当社の新しい高出力定置用燃料電池システムは、EV業界にとってゲームチェンジャーとなるだろう」「顧客は当社に水素発電の選択肢を求めており、この製品は今年、定置用として最大のアプリケーションの1つになると期待している」と述べた。
なお、プラグパワーの最近の動きでは、3月にワシントン州の空港で水素燃料電池を搭載した航空機の飛行試験(2023年3月8日記事参照)、フォークリフトに水素燃料電池導入サービス提供開始(2023年3月22日記事参照)などがある。
(沖本憲司)
(米国)
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