米プラグパワー、アビナと大型トラックの脱炭素化に向け水素製造施設で提携
(米国)
ヒューストン発
2023年06月15日
米国の燃料電池システム開発のプラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は6月14日、グリーン水素・燃料事業を手掛ける米国アビナ・クリーン・ハイドロジェン(本社:ニュージャージー州ショート・ヒルズ)に対して、南カリフォルニアで初とされる、大型トラック用水素製造施設向けコンテナ型水電解装置(注)を納入すると発表した。
発表によると、プラグの水電解装置は、アビナに日量最大2トンのグリーン水素製造を可能にする。プラグの5メガワット(MW)規模の水電解装置は、屋外設置型としては最大で、設置が容易、かつ安価だという。アビナは、カリフォルニア州が2045年までに温室効果ガス(GHG)排出量を85%削減するという野心的な気候変動目標の達成を支援するため、トラック運送業者や給油所の関係者と協力して、プラグの水電解装置を用いてグリーン水素を提供するとしている。
プラグパワーの最高戦略責任者(CSO)兼エネルギー事業部長のサンジェイ・シュレスタ氏は「両社は、革新的なグリーン水素ソリューションを大規模に展開することで、脱炭素化が困難な部門の二酸化炭素(CO2)排出量をオフセットするという共通のコミットメントを持っており、このパートナーシップは完璧にマッチしている」「当社の最先端の水電解装置の技術と比類のない製造能力により、われわれは、アビナのような機敏なパートナーと協力して、代替エネルギーのトレンドを生み出す市場である南カリフォルニアの、クリーンエネルギー転換を急速に加速させることを楽しみにしている」と述べた。
なお、プラグパワーの最近の動きでは、5月の商用電気自動車(EV)充電向け高出力定置用燃料電池システム発表(2023年5月9日記事参照)、6月の米最大規模の定置用水素燃料電池供給(2023年6月8日記事参照)などがある。
(注)固体高分子電解質(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)を用いて水を電気分解することにより、グリーン水素を製造する技術。
(沖本憲司)
(米国)
ビジネス短信 a8a638d377d62832