上海市、出入国手続きの利便性向上への取り組み発表

(中国)

上海発

2023年06月14日

上海市公安局出入国管理局は6月7日、出入国に必要な手続きの利便性を向上させるため、5つの取り組みを行うと発表した。まず、中国籍の出入境証明(注1)申請に関する措置は次のとおり。

(1)18歳未満の中国籍の未成年者を対象に、出入境証明の申請を受理する夜間特別受付窓口を以下の時間帯で開設し、夏季休暇中の中国籍学生の利便性向上を図る。

  • 第1回:6月9日(金)午後5時~午後8時
  • 第2回:6月16日(金)午後5時~午後8時
  • 第3回:6月21日(水)午後5時~午後8時

(2)オンライン上の手続きを通じて、他省の戸籍を持つ上海の大学生の出入境証明に必要な在籍証明の書類を簡素化する。具体的には、オンラインの認証に合格すれば、学校の公印が押された紙媒体の書類提出が免除される。

(3)上海市のオンライン行政サービスプラットフォーム「一網通弁」上で、出入境証明の審査進捗状況を確認できるようにするなど、オンラインのサービスを充実させる。

また、居留許可や就労許可、アライバルビザなど、外国籍の出入国にかかる手続きについては、次の措置を行うとした。

  1. 外国人居留許可と就労許可を同時に受け付ける単一窓口のサービス範囲を拡大する。具体的には、6月7日以降、単一窓口のサービス範囲を従来のA類ビザからB類ビザ(注2)まで拡大する。浦東新区張江、臨港、外高橋、閔行、青浦の5つの出入国手続き受付窓口で申し込みが可能となる。
  2. 外国人を対象とするアライバルビザ(注3)のオンライン事前申請を推進する。これまで到着時ビザ申請は窓口での紙媒体の提出が必要だったが、緊急のビジネスなどの理由で外国人を招聘(しょうへい)する際、「一網通弁」や「上海市出入国管理局電子行政サービスプラットフォーム」を通じて、オンラインで申請書を提出できるようになる。オンライン申請の場合、3営業日以内で審査が下りる。審査が通ると、招聘された外国人は、事前にダウンロードして印刷した事前受理通知書を入国審査場に持っていくと、すぐにビザを申請して入国することが可能となる。

上海市公安局出入国管理局は、外国人居留許可と就労許可が同一窓口で受け付けできるようになったことで、審査期間を大幅に短縮でき、7営業日での取得が可能になると説明した(「上観新聞」6月7日)。

(注1)中国のパスポートに加え、香港・マカオ・台湾との通行証も含まれる。

(注2)2016年から、外国人就労者はハイレベル人材(A類)、専門人材(B類)、一般人員(C類)に分類されている(2022年11月30日記事参照)。

(注3)日本人に対するアライバルビザの発給措置については、2023年1月30日記事参照。

(宋青青)

(中国)

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