EUのSDGs進捗状況、社会・経済分野は前進も、環境分野は停滞

(EU)

ブリュッセル発

2023年06月01日

EU統計局(ユーロスタット)は524日、「国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けたEUの進捗状況を分析する報告書2023」を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。入手可能なデータのうち直近5年間(20162021年や20172022年が主)を分析したところ、社会・経済分野の目標の多くで前進があった一方、環境分野での進捗はあまり見られなかった。EUSDGs17目標の達成状況を評価する100の指標を独自に設定し(このうち68指標は国連の指標と整合)、2017年から毎年評価を実施しており、本報告書は7回目となる(2021126日付地域・分析レポート12参照)。

今回、目標の達成に向けて特に大きな進展が見られたのは、働きがいも経済成長も(SDG8)、貧困をなくす(SDG1)、ジェンダー平等を実現しよう(SDG5)の3目標だった。このほか、人や国の不平等をなくそう(SDG10)、質の高い教育をみんなに(SDG4)、平和と公正をすべての人に(SDG16)、すべての人に健康と福祉を(SDG3)、産業と技術革新の基盤をつくろう(SDG9)は、良好な進展が見られた。特に、SDG3に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があったものの、進捗がみられたと評価した。

今後、特に大きな進展が期待される分野としては、気候変動に具体的な対策を(SDG13)が挙げられた。これは、一連の「Fit for 55 」政策パッケージ(2021年7月15日記事参照)や再生可能エネルギー指令改正案(2023年4月3日記事参照)の具体的な取り組みを通じ、省エネの推進、再エネの利用拡大が見込まれるためとした。

なお、新型コロナ感染拡大に起因する影響の多くは、本報告書のデータに反映されているものの、20222月から始まったロシアによるウクライナ侵攻の長期的影響はまだ見通せないとした。

(大中登紀子)

(EU)

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