岸田首相、ビジネスフォーラムに出席、経済開発への日本企業の貢献をアピール

岸田文雄首相は、G7広島サミットに向けたアフリカ歴訪の最初の国として、4月29日からエジプトを訪問。翌30日にアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領と会談し、両国間関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致した。会談後に、円借款「カイロ地下鉄四号線第一期整備計画（III）」の署名式が行われた。

岸田首相は30日夜、ジェトロなどが開催した「日・エジプト・ビジネスフォーラム」に出席した。エジプトからはムスタファ・マドブーリー首相、ターレク・エルムッラー石油・鉱物資源相、アフマド・サミール・サーレフ貿易・産業相をはじめとする経済分野の閣僚8人が出席した。冒頭、エジプト経済界の意向により、エジプトとの関係が深かった故安倍晋三元首相への黙とうがささげられた。

フォーラムで登壇者が重ねて言及したのは、持続可能な経済開発や、人材育成への日本企業の貢献だ。マドブーリー首相は、日本からエジプトへの援助は無償資金協力と円借款合わせて総額約30億ドルに達したと言及した。また、エジプト政府が掲げる「ビジョン2030」や、エジプトで2022年に開催された国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議（COP27）に合わせて表明された「NWFEプログラム」（2022年10月12日付地域・分析レポート参照）への日本の支援に対する謝意を表明した。

岸田首相は「日本企業は、風力など再生可能エネルギー分野を中心に、エジプトのプラント・インフラ開発に大きな貢献を果たしている」と紹介した。在エジプト日本商工会の西英規氏は「自動車製造に欠かせない部品工場の設立、創業案件も含めると、当地エジプトでの雇用創出、次世代を担う人材育成面でも日本企業の存在感は高まっている」と述べた。

（福山豊和）