第1四半期のGDP成長率は2.7%、2023年通年の見通しは3.5~5.5%に据え置き

(香港)

香港発

2023年05月17日

香港特別行政区(以下、香港)政府は5月12日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率の改定値を前年同期比で2.7%と発表した。同月2日に発表した速報値からの修正はなかった(2023年5月8日記事参照)。また、香港政府は今回、2月22日に発表した2023年通年の成長率見通し(3.5~5.5%)も据え置いた(2023年3月1日記事参照)。

香港政府の経済顧問の梁永勝氏は、2023年の成長率見通しについて「現在の経済回復の勢いが続くのであれば、成長率は見通しの上限に近づく可能性が高い」との見方を示した(注)。

香港中文大学の荘太量教授は、2023年の成長率が5.5%になる可能性を示しつつも、「第1四半期の成長率が2.7%にとどまった理由の1つに労働者不足がある。成長率を押し上げるためにも、当局は外部労働力の受け入れを考慮する必要がある」と分析した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」5月15日)。

(注)民間セクターのアナリストによる最新の成長率予測は3.5~6.5%で、平均値は約4.4%だった。

(松浦広子)

(香港)

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