米シェブロン、76億ドルでPDCエナジーを買収へ

(米国)

ヒューストン発

2023年05月23日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は5月22日、米国の独立系石油ガス開発企業PDCエナジー(本社:コロラド州デンバー)の買収で合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。PDCエナジーの株主は1株当たりでシェブロン株0.4638株を受け取り、取引額の総額は76億ドル相当となる。

今回の買収により、シェブロンは、米国内の炭素強度(注)の低い盆地において、より高いリターンが期待できる高品質の資産を入手可能になったとしている。PDCは、コロラド州のデンバー/ジュレスバーグ盆地(DJ盆地)に27万5,000エーカー(約1,113平方キロ)の権益およびテキサス州とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地に2万5,000エーカー(約101平方キロ)の権益を保有している。

PDCの2023年第1四半期(1~3月)の石油ガス生産量は、DJ盆地で日量21万6,000バレル(原油換算相当)、パーミアン盆地で日量約2万8,000バレル(原油換算相当)とされている(オイル&ガスジャーナル5月22日)。

シェブロンのマイク・ワース会長兼最高経営責任者(CEO)は「PDCの魅力的かつ補完的な資産は、米国の主要生産盆地におけるシェブロンのポジションを強化するものだ」「今回の取引は、すべての重要な財務指標に利益をもたらし、より高い利益と低炭素を安全に提供するというシェブロンの目標を強化するものだ。PDCのチームと株主をシェブロンに迎え入れ、両社が安全で信頼性の高い操業に注力し続けることを楽しみにしている」と述べた。

シェブロンは、米国においてエネルギーの安定供給に取り組んでおり、2021年3月に、DJ盆地およびパーミアン盆地で石油ガスのパイプライン輸送サービスを実施しているノーブル・ミッドストリーム・パートナーズの買収に合意(2021年3月8日記事参照)、2022年6月には、パーミアン盆地で石油ガス増産(2022年6月17日記事参照)、同年12月には、増大する世界の液化天然ガス(LNG)需要に対応するため、LNG事業拡大(2022年12月26日記事参照)を発表した。

(注)エネルギー単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量、すなわち、CO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。

(沖本憲司)

(米国)

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