政府が工業分野のカーボンニュートラル標準システム建設指南を発表

(中国)

上海発

2023年05月29日

中国工業信息化部は5月22日、「工業分野のカーボンピークアウト・カーボンニュートラルに向けた標準システム建設指南(2023版)」を発表し、パブリックコメント募集を開始した。募集期間は6月22日まで 。

これは、国家標準化委員会や工業信息化部など11部門が4月22日に発表した「カーボンピークアウト・カーボンニュートラル標準システム建設指南」(2023年5月10日記事参照)に続くもので、工業分野に焦点を置いた指南となる。中国は2030年までのカーボンピークアウトと2060年までのカーボンニュートラルの目標を掲げており(2021年10月28日記事参照)、今回の指南で工業分野の関連規格を制定し、低炭素化とゼロカーボン発展モデルへの転換を推進するとしている。

指南では、工業分野のカーボンピークアウト・カーボンニュートラルの標準システムを2025年までに構築することを目標としている。低炭素技術の発展における現状と今後の傾向や、工業界の需要に応じ、炭素ピークアウトに必要な200項目以上の標準規格を制定するとした。

また、指南では「基礎的項目」「算出と検査」「技術と設備」「モニタリング」「管理と評価」の5つのフレームワークに分類して標準規格を体系立てている。

実施に当たっては、国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、国際電気通信連合(ITU)など国際組織のグリーン低炭素標準化活動にも積極的に関与するとした。指南で定める5つのフレームワークに沿うかたちで、国際基準の「基礎的項目」「温室効果ガス(GHG)排出量の算出と検査」「低炭素技術と設備」「GHGのモニタリング」「炭素排出の管理と評価」など、重点分野に関する研究や制度改正に深く関与し、提案を行うとしている。また、中国のカーボンピークアウト・カーボンニュートラルの標準化実践で得られる経験を他国に共有するとしている。

(尹世花)

(中国)

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