中国、カーボンニュートラルの国際標準制定に積極的に関与

(中国)

北京発

2023年05月10日

中国の国家標準化管理委員会、国家発展改革委員会、工業・信息化部など11部門は4月22日、「カーボンピークアウト・カーボンニュートラル標準システム建設指南」(国標委〔2023〕19号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(文書は4月1日付)。カーボンピークアウト・カーボンニュートラル達成に向けた関連標準の整備を目指す。

指南では主要目標として、2025年までに1,000以上の国家標準および業界標準を制定・改定し、30以上の国際標準の制定に関与するとしている。

カーボンピークアウト・カーボンニュートラル標準システムは、一般標準、排出削減標準、炭素除去標準、市場化メカニズム標準の4つからなり、エネルギー、工業、交通運輸、都市建設、水利、農業・農村、林業・草原、金融、公共機関、市民生活などの分野を包括する。

生産・サービスにおける排出削減標準制定も盛り込まれており、鉄鋼、石油化学、化学工業、非鉄金属、建築材料、機械、製紙、紡織、自動車、食品加工について標準を定めるとされている。

国際標準化については、政府の各部門が協力して進めるとしている。特に、二酸化炭素(CO2)回収・貯留技術、新型電力システム、新エネルギーにおける中国の優位性を生かして、国際標準化に関するグループを設立する。また、国際標準制定へ積極的に関与するため、温室ガス排出量算定方法、炭素固定、従来型エネルギーの低炭素化、スマートグリッド、クリーンエネルギーなどの分野で国際標準を提案するとしている。

その他、グリーン金融に関する用語、金融機関による二酸化炭素算定や、関連金融商品についても標準を定める。カーボンクレジット取引ルールや、取引所および従業員に関する標準も整備する。

国家市場監督管理総局の関係者は、カーボンピークアウト・カーボンニュートラルに関する標準は既にあるものの、対象分野、数、質ともに不十分なため、指南が定められたとしている。

中国は2030年までのカーボンピークアウト、2060年までのカーボンニュートラルを目標としている(2021年10月28日記事参照)。

(河野円洋)

(中国)

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