米ニューヨーク市、富裕層が最も多く住む都市として世界1位、生活コスト高も世界最高水準
(米国)
ニューヨーク発
2023年04月25日
英国の投資コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズが4月18日に公表した調査によると、100万ドル以上の投資資産を持つ富裕層が最も多い都市として、ニューヨーク(NY)市が世界でトップになったことが明らかになった。
調査は世界97都市を対象に実施された。NY市には上述の富裕層が34万人(10年前比40%増)居住しており、2位となった東京の29万300人(同5%減)に大きく差をつけた。米国からはほかにも、サンフランシスコ・ベイエリア(SFB)とロサンゼルス(LA)にそれぞれ28万5,000人(同68%増)、20万5,400人(同35%増)の富裕層が居住し、3位と6位につけている。資産10億ドル以上の富裕層が居住する都市でもNY、SFB、LAはそれぞれ、2位、1位、4位と上位につけた。なお、この場合には東京は23位となっている。
名実ともに世界一の富裕都市であることが明らかになったNY市だが、実際に住むとなると、かなりの高収入がないと暮らしにくいのが実情のようだ。米国金融情報会社のスマートアセットが4月15日に公表した全米76の大都市を対象にした調査によると、税金などの生活コストを考慮した場合、NY市で10万ドルの購買力を得るためには、年収で31万2,000ドル得る必要があり、これはホノルルに次いで全米2位となった。3位以下には、上述の富裕層都市ランキングでも登場した地域である、カリフォルニア州のサンフランシスコやオークランド、ロサンゼルスがそれぞれ31万700ドル、24万5,600ドル、24万5,300ドルと続いた。なお、テキサス州ヒューストンでは、10万ドルの購買力を得るためには約12万ドルの年収で足り、同社が2023年3月に公表した年収10万ドルの場合の実質的な手取り額調査と適合する内容となった(2023年3月28日記事参照)。
2022年の英国エコノミスト誌調査でも、NY市はシンガポールと並んで世界で最も生活費が高い都市としてランクインしている(2022年12月7日記事参照)。これらの調査結果からも、NY市の特徴として、得られる収入が大きいことが期待されるが、生活コストも相当程度大きいということが示されている。
(宮野慶太)
(米国)
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