ニューヨーク、生活コストの高さで全米一に、出張費の高さでは世界一

(米国)

ニューヨーク発

2023年03月28日

米国金融情報会社のスマートアセットが実施した調査によると、ニューヨーク(NY)市では年収10万ドルであっても、税金を差し引くとともに生活コストの大きさを考慮すると、実質的な手取り額は3万5,791ドルに相当し、全米で最も生活コストが高い都市であることがわかった。

今回の調査では、全米76都市が対象となり、それぞれの都市で課される連邦税、州税、および地方税を差し引いた手取り収入を年収と時給換算で算出されている。また、2022年第3四半期のデータに基づき、各都市で発生する住宅や食料品などの生活コストの大きさに応じた実質的な手取り収入も併せて算出されている。

年収10万ドルの場合、実質的な手取り収入が最も少なくなったのは前述のとおりNY市で、次いでハワイ州ホノルル(3万6,026ドル)、カリフォルニア(CA)州サンフランシスコ(3万6,445ドル)、首都ワシントン(4万4,307ドル)、CA州ロングビーチおよびロサンゼルス(ともに4万4,623ドル)となっており、大都市、特にCA州の都市が多かった。これに対して、実質的な手取り収入が多く残る都市としては、オクラホマ州オクラホマシティー8万4,498ドル(3位)、テキサス(TX)州ヒューストン8万1,171ドル(6位)などが上位となり、TX州の都市が多いことが特に目立つ。国勢調査局によると、2021年7月1日から2022年7月1日にかけての人口減少数はNY州、CA州が全米でそれぞれ1位、2位だったのに対し、同期間での人口増加数はTX州が1位となっており、今回の調査結果との関連がうかがえる。

また、NY市については1日当たりの出張費が796ドルと世界一高額であることも、コンサルティング会社のECAインターナショナルの調査により明らかとなっている(ブルームバーグ2023年3月21日)。調査は196カ国、457拠点を対象とし、宿泊費、飲食費、タクシー料金などを考慮して各都市の出張費が比較されている。NY市の場合、宿泊費の高さが大きく影響した。また、同調査でも、首都ワシントン(出張費:658ドル、3位)、サンフランシスコ(609ドル、5位)、ロサンゼルス(584ドル、7位)など米国の都市が上位にランクインしている。

(宮野慶太)

(米国)

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