英政府、大使館職員をスーダンから退避へ、周辺国とも連携

英国政府は4月23日、スーダンで15日に発生した軍事衝突（2023年4月17日記事参照）を受け、在スーダン英国大使館職員の退避に係る軍事作戦に着手したことを発表した。本件については、プレスリリースのほか、リシ・スナク首相がツイッターで投稿している。

スナク首相は21日、ジブチのイスマイル・ゲレ大統領と電話会談を実施。ゲレ大統領からスーダン側との協議状況について報告があったとしている。両首脳は民間人の保護に向けた調整について合意した。

また4月23日には、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領とも電話で会談。両首脳は、スーダンにおける暴力の激化と、治安および人道状況が悪化するリスクについて深い懸念を共有した。両国が、アフリカ連合および他の国際パートナーと協調し停戦を確保するとともに、スーダンの安定した文民政府への移行支援に向けた緊急外交努力を行うことに合意した。また、スナク首相は英国大使館職員の退避作戦に関し、エジプトの支援について感謝し、スーダンからの出国を希望する民間人の安全な通行を確保するためのさらなる選択肢について話し合った。

英国の外務・英連邦・開発省は海外渡航アドバイスを更新し、スーダンに滞在する全ての英国人に対して可能な限り屋内にとどまるように助言するとともに、職員の退避に伴い、大使館での領事サービスが困難となっていることも周知。在留者に対しては、スーダンでの状況について登録するよう推奨している。登録に関しては、外務・英連邦・開発省が特設ページを公開している。

報道によると、スーダンには約4,000人の英国パスポート保有者がいるとされている。英国政府の危機管理委員会（COBRA会議）では、ジェームズ・クレバリー外務・英連邦・開発相が、スーダンにいる英国人を政府は「絶対に支援する」としたものの、停戦に至るまでは、閣僚らの「英国人に支援を提供する能力が著しく制限される」と述べたと報じられている（「スカイニュース」4月24日）。

（菅野真）