スーダンで軍事衝突が発生

(スーダン)

カイロ発

2023年04月17日

スーダンの首都ハルツームで4月15日、国軍(SAF)と準軍事組織である迅速支援部隊(RSF)との戦闘が発生した。現地報道によると、56人が死亡、負傷者は数百人に上る。

スーダンでは2021年10月に軍事クーデターが発生(2021年10月26日記事参照)。クーデター後に軍主導で樹立した暫定政権では、アブドゥル・ファッターハ・ブルハーンSAF司令官が議長、RSFを率いるモハメド・ハムダン・ダガロ司令官が副議長を務めていた。2022年12月に署名された「政治枠組み合意」によって開始された文民暫定政権樹立のプロセス(2022年12月12日記事参照)でも、両者は軍へのRSF統合を巡って対立を深めており、4月に予定されていた民政移管に向けた枠組み合意発表は重ねて延長されていた。

SAF総司令部は4月15日、ハルツームの共和国宮殿や総司令部、評議会議長本部などの戦略的拠点を支配しようとしている敵対勢力に直面していると発表した〔4月15日付スーダン国営通信(SUNA)〕。RSF側は、SAF側によるRSF本部への攻撃に対する防衛行為と主張すると同時に、ハルツーム国際空港や大統領府など戦略的拠点を制圧したと発表している。こうした状況に対し、国連安保理のアントニオ・グテーレス事務総長は同日、戦闘を強く非難するとともに、両者に対して直ちに戦闘を停止し、対話を開始するよう求めた。

4月16日の在スーダン日本大使館の発表によると、今回の衝突はハルツームを中心に国内各地で発生し、16日現在も継続している。首都の空港は現在閉鎖されており、航空各会社もフライトの運行を見合わせている。同大使館は状況の推移に十分注意するとともに、不測の事態に備え、不要不急の外出は絶対に止めるよう呼びかけている。

(塩川裕子)

(スーダン)

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