2022年のASEAN貿易、14.8%増の3兆8,400億ドル

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、ラオス)

バンコク発

2023年04月27日

国連貿易開発会議(UNCTAD)が4月5日に公開したデータによると、2022年のASEANの貿易総額は前年比14.8%増の3兆8,397億ドルとなった(添付資料表1参照)。世界貿易全体の7.6%を占めた。ASEANの貿易は、新型コロナウイルス感染が拡大した2020年に落ち込んだが、2021年にV字回復し、2022年も引き続き拡大した。特にミャンマーが24.0%増、インドネシアが23.8%増、マレーシアが20.3%増、ブルネイが20.7%増と、4カ国で2割超も増加した。

ASEANの貿易黒字は18.9%減の834億ドルに縮小した(添付資料表2参照)。タイは前年に貿易黒字だったが、161億ドルの赤字へ転換した。同国では燃料の輸入額が56.9%増(615億ドル)と、前年に引き続きエネルギー輸入がかさんだ。フィリピンも657億ドルの貿易赤字と、マイナス幅が拡大した。他方、ベトナムでは貿易黒字が2.8倍の121億ドル、ミャンマーでは3.2倍の27億ドルと、大幅な伸長がみられた。

ASEANの輸出は13.8%増の1兆9,615億ドルとなった(添付資料表3参照)。特にインドネシアは26.1%増の2,920億ドルと大幅に拡大した。また、ミャンマー(28.9%増、196億ドル)、ブルネイ(26.1%増、140億ドル)も輸出が伸びた(添付資料表3参照)。

ASEANの輸入については、15.9%増の1兆8,782億ドルと、輸出の伸びを上回った(添付資料表4参照)。マレーシアの輸入が23.6%増の2,944億ドル、インドネシアが21.0%増の2,374億ドルと、ともに2桁超の拡大となった。資源・エネルギーを有する両国は、2022年の貿易額が過去最高を更新した(2023年1月31日記事参照2023年2月15日記事参照)。ロシアによるウクライナ侵攻に伴う世界的な資源・エネルギーの需要増と価格高騰により、両国からの資源輸出が増えたものの、原油や石油製品など国内需要を賄う輸入についても増えたかたちとなった。

(北見創)

(ASEAN、シンガポール、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、ラオス)

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