2022年の貿易総額27.8%増、輸出入とも過去最高

(マレーシア)

クアラルンプール発

2023年02月15日

マレーシア統計局は127日、2022年通年の貿易総額が前年比27.8%増の28,484億リンギ(約854,512億円、1リンギ=約30円)だったと発表した(添付資料表1参照)。輸出額は15,517億リンギ、輸入額は12,966億リンギで、ともに2桁増となった。貿易黒字は0.6%増の2,551億リンギと、1998年以降25年連続で黒字になった。貿易総額、輸出入額、貿易黒字のいずれも、過去最高額を記録した。

輸出を品目別にみると、全体の38.2%を占める電気・電子製品が5,935億リンギで、前年比30.2%増と勢いを維持した(添付資料表2参照)。同品目の半分を占める集積回路が32.7%増の3,017億リンギに増加した。次いで、精製石油製品が76.0%増の1,517億リンギ、パーム油・同製品が27.1%増の1,379億リンギ、液化天然ガス(LNG)が78.0%増の680億リンギ、専門・科学・制御機器が22.0%増の523億リンギと、いずれも2桁増で好調だった。

国・地域別にみると、輸出では、シンガポールが前年比33.7%増の2,326億リンギで首位だった(添付資料表3参照)。次いで、中国(9.4%増の2,106億リンギ)、米国(17.5%増の1,672億リンギ)、日本(29.6%増の982億リンギ)、香港(24.6%増の956億リンギ)が続き、上位5カ国・地域向けは中国を除いて輸出の伸びが2桁増と堅調だった。なお、マレーシア国際貿易産業省(MITI)によると、20223月に発効した、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定加盟国への輸出は2桁増となった。

輸入では、中国が20.7%増の2,765億リンギで、依然として最大の輸入相手国だった。シンガポールが44.9%増の1,356億リンギ、台湾が41.0%増の1,061億リンギ、米国が34.4%増の1,004億リンギ、日本が12.6%増の833億リンギと続いた。

通年では堅調に拡大した輸出だが、四半期ごとの輸出増減率をみると減速傾向が顕著だ。主要相手国・地域向けの輸出寄与度は、第4四半期に軒並み大幅に縮小した(添付資料図参照)。ユナイテッド・オーバーシーズ銀行の研究所(UOBリサーチ)によれば、電気電子製品の需要減速やコモディティー価格下落などが、特に12月の輸出鈍化に影響したとみられる。

なお、UOBリサーチは輸出について、2022年は前年比25.0%増となったものの、2023年は世界需要の減退や半導体需要の減速などが影響し、1.5%減に縮小すると見通し、前期の予測を据え置いた。その一方で、中国の国境再開による潜在的な波及効果や、2022年に批准した2つの多国間貿易協定(RCEPおよびCPTPP)による市場アクセスが拡大は、2023年のマレーシアの輸出増に貢献するとも見通した。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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