タミル・ナドゥ州の2023年度予算、企業誘致とインフラ整備に重点
(インド)
チェンナイ発
2023年04月10日
インドのタミル・ナドゥ(TN)州政府は3月20日、2023年度(2023年4月~2024年3月)予算案を発表した(TN州財務相の議会スピーチ原稿)。歳出総額では前年度(修正値)比12%増の3兆806億ルピー(約4兆9,290億円、1ルピー=約1.6円)、歳入総額では前年度(修正値)比10%増の2兆7,052億ルピーを計上している。
産業分野では、2024年1月に投資誘致イベント「グローバル・インベスターズ・ミート(GIM)」が予定されており(2023年1月27日記事参照)、関連予算として10億ルピーを計上している。GIM関連予算も含めて、産業省には326億8,000万ルピーを予算計上した。
インフラ分野では、チェンナイ・ペリフェラル・リング・ロード計画(注)に184億7,000万ルピーを計上する予定だ。現在進行中のチェンナイ・メトロ・フェーズ2の工事(2022年12月15日記事参照)については、1,000億ルピーを計上する予定で、2025年12月までに部分開通が可能となる見込みという。さらに、これまで135億5,000万ルピーを投入してきた洪水対策について、2023年度予算案には32億ルピーを計上している。
IT分野では、TN州をITグローバルハブとして発展させるため、「タミル・ナドゥ・テック・シティー」をチェンナイなど計3都市に整備する予定であることもわかった。
P.T.ラジャンTN州財務相は、2021年の政権交代時(2021年5月11日記事参照)には、年間6,200億ルピーの財政赤字があったが、2022年度の見込みでは3,000億ルピーまで縮小・改善しているとし、財政再建の進捗をアピールした。
(注)チェンナイ・ペリフェラル・リング・ロード計画では、日系企業が多く入居しているオラガダムやバラム・バダガルから、カトゥパリ港やカマラジャ港を結ぶ環状道路の建設が計画されている(地図参照(0.0B))。
(浜崎翔太)
(インド)
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