米船級協会、テキサスA&M大学に250万ドル寄付、次世代海事人材育成へ
(米国)
ヒューストン発
2023年04月04日
米国の船級協会のアメリカン・ビューロー・オブ・シッピング(ABS、本社:テキサス州スプリング)は3月27日、テキサスA&M大学(TAMU)の海洋工学科へ、海洋イノベーション研究所新設などに250万ドルを寄付し、両者のグローバルな戦略関係を拡大すると発表した。
この寄付により、ABSの海事・海洋に関する豊富な経験と、TAMUの世界的な学術研究能力を融合させ、海事産業が現在直面している最も差し迫った課題に取り組み、次世代の海事人材を育成するための海事研究組織を創出するとしている。
新設の海洋イノベーション研究所は、プレゼンテーションや講義、訓練のため、最新鋭の通信機器を備えた会議エリア、研究協力やプロジェクト作業エリア、コンピュータスペース、TAMUとABSのスタッフ用のオフィスが設置されるとしている。
ABSのクリストファー・ウェルニッキ会長・社長兼最高経営責任者(CEO)は「海事・海洋産業は、脱炭素化とデジタル化によってもたらされる明白で破壊的な(disruptive)変化に直面している。今後の課題に対応するには、新しいスキル、新しい技術、新しい戦略、そして重要なのは新しい考え方が必要だ」「それぞれの分野で世界をリードするABSとテキサスA&M大学は、より持続可能な産業の実現に大きく貢献するため、ユニークで強力な新しい能力を創出しようとしている」と述べた。
ABSは脱炭素化に向けた取り組みを進めており、2023年2月にABS規格でカリフォルニア大学の水素燃料調査船建造(2023年2月16日記事参照)、海運で使用する不燃性電池技術実用化へ新技術認証(2023年2月24日記事参照)を発表した。
(沖本憲司)
(米国)
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