パナソニック、米オクラホマ州で車載用電池工場の建設を検討、メディア報道

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年04月17日

パナソニック ホールディングスが米国オクラホマ州に車載用電池工場の建設を検討していると、4月16日にロイターが報じた。仮に実現すれば、同社の米国内の電池工場は稼働中のネバダ州、建設中のカンザス州の工場(2022年7月14日記事参照)に次ぐ3番目となる。

候補地とされるミッドアメリカ工業団地はオクラホマ州北東端のプライアーにある。約41万人が暮らす同州人口の第2位のタルサの東約70キロに位置する。建設中のカンザス州の工場からは南へ約350キロ、車で約3時間半と比較的近い。いずれも米国本土のほぼ中心部に位置する。

ロイターによると、パナソニックはオクラホマ州との間で、同州による製造業向け財政支援策「大規模経済活動・開発法(LEAD法)」の支給条件を定めた契約を締結したという。ロイターは、パナソニックがそれ以外の具体的な決定はしていないとコメントしていることも報じている。

ケビン・スティット州知事は14日の会見で「州史上、過去最大の経済開発プロジェクトになる」と歓迎。パナソニックが500万平方フィート(約46万平方メートル、東京ドーム約10個分)の施設に50億ドルを投資し、3,500人の雇用を創出すると述べた(abc系列KOCOニュース4月14日)。

2022年4月に成立したLEAD法は、パナソニックの電池工場誘致を目的に設けられた支援策とされる。新規の直接雇用者数に応じて、設備投資にかかる経費が10年にわたって割り戻されるものだ。州議会は既に2023年度予算でLEAD基金に6億9,800万ドルを拠出している。スティット知事はさらに、工業団地のインフラ整備などの経費として2億4,500万ドルの負担を議会に求めると述べているが、州議会が認めるかは不透明と報じられている(「タルサ・ワールド」4月16日)。

オクラホマ州はパナソニックの車載電池工場の誘致に注力してきたが、2022年7月にはカンザス州での建設が発表されていた。また、ミッドアメリカ工業団地にはフォルクスワーゲンの車載電池工場の進出も期待されていたが、同社は2023年3月、カナダのオンタリオ州への進出を発表していた(2023年3月17日記事参照)。

(桜内政大)

(米国、日本)

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