ラオス政府、最低賃金を130万キープとすることを確認

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年04月28日

ラオス政府は4月26日の閣議で、5月1日から最低賃金(月額)を現行の120万キープ(約9,360円、1キープ=約0.0078円)から130万キープ(約1万140円)に引き上げることを再度確認した。本件は2022年6月に決まっていたが(2022年6月21日記事参照)、労働組合の代表組織であるラオス労働組合連盟が40%を超える高いインフレ(2023年2月14日記事参照)を理由に150万キープ(約1万1,700円)へと増額することを提案し、これに対し再度審議が行われた。一方、ラオス商工会議所など経済界は、企業活動に悪影響をもたらすとして受け入れられないと反対していた(「ビエンチャン・タイムズ」4月27日)。

閣議では、今回、労働組合連盟が提案した増額について、インフレの状況を精査し、引き続き労働社会福祉省を中心に労働組合連盟やラオス商工会議所との協議や調整をすすめ、2023年第3四半期中に政府に新たな増額案を再提出するように指示がされた(「パサソン」紙4月27日)。

なお、「2022年7月8日付ラオスの労働者の最低賃金の改正に関する労働社会福祉省国家労働委員会ガイドライン(No.2718/MLSW)」では、130万キープの最低賃金は月26日の労働をベースとしている。1日(8時間労働)では5万キープ、1時間当たり6,250キープと規定される。また最低賃金は、技術や経験を持たない労働者の基本給とされ、食事や宿泊、送迎などの手当や時間外勤務は含めてはならないとしている。

(山田健一郎)

(ラオス)

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