1月のインフレ率、前年同月比40.3%に上昇

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年02月14日

ラオス計画投資省統計センターが発表した1月の消費者物価指数報告書によると、1月のインフレ率は前年同期比40.3%と、過去23年間で最大となった。一方、消費者物価指数(CPI)の前月比(注)は1.43%と、20226月の高水準(10.1%)と比べると落ち着いてきた(2022年7月8日記事参照)。

同報告書では、通貨キープ安とガソリン価格上昇が輸入商品の価格を引き上げ、国内の生産コスト増を引き起こしたと分析した。項目別では、交通・輸送49.9%(前月比0.94%)、食料・飲料47.1%(同1.50%)、健康・医療42.2%(同0.94%)、家具・家庭用品34.3%(同2.06%)、レストラン・ホテル34%(同1.91%)、アルコール・たばこ26.3%(同2.84%)となった。

前月比で特に上昇した品目では、肉類5.8%、ガソリン3.0%、ビール3.2%、パン・小麦2.9%、たばこ2.8%、ゲストハウス・ホテル2.1%などが挙げられ、新型コロナウイルス収束後の観光客増加や、年末年始・旧正月による需要増も反映されたとみられる。同報告書によると、2023年第2四半期(4~6月)までは2桁台の高いインフレ率が続くと見通している。

インフレの要因の1つの為替については、1月末までに全国の両替代理店を閉鎖するなど(2023年1月18日記事参照)、中央銀行による強い対ドル為替レート管理が実施されており、対ドルでは1月平均は前月比で1.9%のキープ高となった。しかし、貿易関係が強いタイの通貨バーツに対しては、前月比1.75%とキープ安が進行している。

(注)インフレ率は物価の上昇度合いを示す指標で、該当月の消費者物価指数(CPI)と12カ月前のCPIを比べた変化率。前月比は該当月のCPIを前月のCPIと比べた変化率で足元の物価変動を示す。

(山田健一郎)

(ラオス)

ビジネス短信 06a3ad722eaad325