住友商事、米で船舶向けアンモニア燃料供給の検討開始

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年04月06日

住友商事は3月31日、米国ジョージア州のサバンナ港において、同国初のSTS方式(注)での船舶向けグリーンアンモニア燃料供給の事業化に向けた検討を開始すると発表した。米国の船級協会のアメリカン・ビューロー・オブ・シッピング(ABS、本社:テキサス州スプリング)など7社と共同で検討する。

国際海事機関(IMO)は、国際海運から排出される温室効果ガス(GHG)を2050年までに半減する戦略を掲げており、現行の戦略よりさらに踏み込んだ目標も検討している。そのような中で、グリーンアンモニアは、燃焼時だけではなく、ライフサイクルで二酸化炭素(CO2)を排出しないため、海運業界のみならず、世界の脱炭素化に貢献可能としている。

発表によると、近年、米国サバンナ港は、コンテナの取扱数量が急激に増加しており、アンモニアを燃料とする超大型コンテナ船が非常に多く寄港することが見込まれるとしている。

本共同検討では、STS方式での船舶向けアンモニア燃料供給に向けたサプライチェーンの構築を検討する。また、アンモニアバンカリングのオペレーション・ガイドラインや法規制の整備に向けて取り組む。8社は本共同検討を通じ、船舶向けグリーンアンモニア燃料供給事業を早期に実現することで、海運業界の脱炭素化への貢献を目指す方針だ。

住友商事は、米国で脱炭素化の取り組みを進めており、2022年6月に米国の核融合関連企業TAEテクノロジーズへの出資に参画したと発表した(2022年7月26日記事参照)。また、2023年1月には、光触媒を用いた米国スタートアップのサステナブル燃料製造プロジェクトへの参画(2023年1月31日記事参照)、2月には、米国エムピーマテリアルズと電気自動車(EV)や風力発電用モーターなどの先端産業に欠かせないレアアースの日本向け独占販売代理店契約(2023年2月22日記事参照)の締結を発表した。

(注)錨地(びょうち)に停泊または岸壁・桟橋に係留中の船舶に対して、船舶に燃料を供給するバンカリング船が接舷して燃料を供給する手法。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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