住友商事、米スタートアップの光触媒を用いたサステナブル燃料製造プロジェクトに参画

(米国、日本、ノルウェー)

ヒューストン発

2023年01月31日

住友商事グループは1月30日、ノルウェーのエネルギー大手エクイノールのコーポレートベンチャーキャピタルであるエクイノール・ベンチャーズと、米国のスタートアップであるSyzygy(本社:テキサス州ヒューストン)が、非営利の研究機関である米国のRTIインターナショナルと行う、光触媒技術を用いた世界初のサステナブル燃料製造のプロジェクトに参画すると発表した。

発表によると、Syzygyが独自に開発した光触媒を用いることで、これまでの熱エネルギーによる化学反応を電化することができ、二酸化炭素(CO2)排出量の削減だけでなく、低コストでエネルギー効率を高めることができるようになる。Syzygyは、この技術をクリーンエネルギーの普及に当たり必要となるさまざまな化学反応に適用することで、日本全体のCO2排出量以上に相当する年間10億トンのCO2排出削減を目指しているという。

本プロジェクトでは、Syzygyが持つ最先端の技術を活用し、メタンとCO2から合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)を製造した後、RTIインターナショナルの設備を用いて持続可能な航空燃料(SAF)やメタノールなどのさまざまな低炭素燃料を製造する。本製造過程では、CO2を原料とし、化学反応を起こす際に再生可能エネルギー由来の電源を使用するため、カーボンニュートラル社会の構築に大きく寄与するという。住友商事グループは、SAFやディーゼル、メタノールなど、各地の需要に応じた低炭素燃料の商業生産を、地産地消型で行う方針だ。

住友商事は、米国での脱炭素化の取り組みを進めており、2022年6月に、脱炭素とエネルギー問題の切り札といわれる核融合分野への知見を深め、社会実装に取り組むため、米国の核融合関連企業TAEテクノロジーズ(本社:カリフォルニア州フットヒル・ランチ)に出資参画したと発表している(2022年7月26日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、日本、ノルウェー)

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