ハッチンソン前アーカンソー州知事、米大統領選に立候補表明、主要候補ではトランプ氏、ヘイリー氏に次ぐ3人目

(米国)

ヒューストン発

2023年04月03日

米国アーカンソー州のエイサ・ハッチンソン前知事は42日、全米ネットABCニュースのインタビュー番組で、2024年の大統領選挙への立候補を表明した。共和党の主要候補としては、ドナルド・トランプ前大統領、ニッキー・ヘイリー元国連大使に次ぐ3人目(2023年2月15日記事参照)。正式な表明は、小売り大手ウォルマートの本社があり、自身の故郷でもある同州ベントンビルで4月中に行う予定。

ハッチンソン氏は立候補の理由として、最近半年間、国内を回り、国民が国のリーダーシップについて語るのを耳にし、国民は米国の悪い部分ではなく良い部分に訴えるリーダーを求めているという考えに至ったと述べた。

ハッチンソン氏はトランプ前大統領に批判的な立場で知られるが、自身を反トランプ(anti-Trump)ではなく、非トランプ(non-Trump)と形容する。2日のABC番組では「非トランプの意味するのは、私はトランプ支持者にも語りかけられるようにありたいということ」とし、米国メキシコ国境の安全や、強い米国、連邦の歳出削減などの価値観を党内に訴えていきたいと述べた。同氏は、トランプ氏が330日にニューヨーク州大陪審に起訴されたのを受け、同氏は選挙戦から外れるべきとの考えを示している。

ハッチンソン氏は1950年生まれの72歳。アーカンソー州共和党議長(19901995年)、連邦下院議員(19972003年)、ジョージ・W・ブッシュ政権の国土安全保障省国境・運輸担当次官(20032005年)などを経て、20151月にアーカンソー州知事に就任した。州法の3選禁止規定により20231月に知事を退任した。

ハッチンソン氏は知事在任中の20216月、訪問先のヒューストンで、桜内政大ジェトロ・ヒューストン事務所長と会談し、新型コロナウイルス下でも州民の健康とともに「経済を止めない」意思で経済政策のかじ取りをしてきたと述べていた。また、同州経済活性化のため企業誘致は重要としつつ、自由な貿易や投資の重要性を訴え、州内で共通の競争条件の下で企業が自由に活躍できる環境づくりが大切だと指摘していた。

同氏は20223月、ジェトロの要請に応え、日本企業に向けたアーカンソー州でのビジネスの魅力を紹介する動画に出演し、全米州知事会会長職(当時)の経験も踏まえて「経済から教育、研究、アジア太平洋地域の安全保障まで、日本との強い絆による好影響を実感し、互いに良い影響を与え続けられる」と、日米関係の重要性を訴えている。

201711月の同氏訪日時、ジェトロはハッチンソン氏を迎えてアーカンソー州でのビジネスの魅力を紹介するセミナーを開催した(2017年11月22日記事参照)。

写真 2021年6月のヒューストン訪問時にジェトロの桜内ヒューストン事務所長と会談したハッチンソン氏(右、ジェトロ撮影)

2021年6月のヒューストン訪問時にジェトロの桜内ヒューストン事務所長と会談したハッチンソン氏(右、ジェトロ撮影)

(桜内政大)

(米国)

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